2007年04月18日
ウェグナーの「いす」
どんな家庭にも一つはあるもの。それは家具です。家の大きさ、暮らし方、家族が何人いるか、そういうことによって家具の必要性は変わってきますが、一つ家具を入れることで生活が大きく変わる、そういうことを実感したことのある方も多いのではないかと思います。
畳に卓袱台、座り机に座椅子、という生活もよいものですが、20代から30代、40代になるにつれ、畳に座る生活が大変になって、椅子に座る生活に変更する人も多くなるのではないでしょうか。私も10年ほど前に椅子とテーブルの生活に変えましたが、やはり足腰の負担は減るなあと思いました。
そんな生活に密着した家具ですが、一つ一つが部屋の雰囲気を大きく規定するものですね。その人の趣味によって和風や中華風、あるいはマホガニー調の重厚なものが好きな方もあれば、木の素材のよさを生かしたナチュラルでモダンな雰囲気が好きな人もいるでしょう。
そうしたナチュラルでモダン、な方向の一つの理想型が北欧の家具だ、と言えるでしょう。
北欧ではスウェーデンやフィンランドなどでもさまざまな家具が作られていますが、その中でも世界的に知られているのがデンマークの家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーのデザインによるものです。ウェグナーさんは2007年の1月に92歳で亡くなりましたが、その作品は世界で評価されています。ここでは現在、日本でも手に入るものをいくつかご紹介しましょう。
まずは『ザ・チェア』、椅子の中の椅子、という意味でしょうか。ウェグナーの名を世界に知らしめた作品です。この一見何の変哲もないいすのすわり心地が驚きだったのですね。1960年、アメリカ大統領選の初のテレビ討論でケネディとニクソンはこの椅子に座っていたのです。
つづいて『Yチェア』。背中の支えがY型をしています。日本で最も人気のある作品です。値段が手ごろなこともありますし、「ウェグナー体験」をしてみたい人にはまずはこれ、かもしれません。
つづいて『ピーコックチェア』。こういう華やかなデザインもよいものです。華やかさの中にもモダンさがあるのがいいですね。
安売りの家具屋さんなどを見歩いていると、ウェグナーの家具などは目の玉の飛び出るような値段ですが、家具もまた作家性のあるものは『作品』で、アートと同じように評価できるものなのですね。そういうものに毎日腰掛けて、またそれに座って食事を取ったりしていたら、すわり心地のよさとともに体の中にアートでモダンな雰囲気が流れ込んでくる感じがしますね。
ウェグナーの家具、ぜひ見てみてください。
投稿者 kous37 : 2007年04月18日 18:10
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