教育産業
『時間』が本質である教育と『等価(に思えるものどうしの)交換』が原則である市場経済が両立するのは難しいことです。そのなかで教育産業は硬直化した学校教育で補い得ない部分を補っていることは事実です。それで完璧だということはないにしても、親や子どもが求めるもので、学校が提供し得ないものの一部を、教育産業が提供していることは見逃すわけには行きません。
教育関係で気になった企業やプロジェクトを、メモしてみます。
『時間』が本質である教育と『等価(に思えるものどうしの)交換』が原則である市場経済が両立するのは難しいことです。そのなかで教育産業は硬直化した学校教育で補い得ない部分を補っていることは事実です。それで完璧だということはないにしても、親や子どもが求めるもので、学校が提供し得ないものの一部を、教育産業が提供していることは見逃すわけには行きません。
教育関係で気になった企業やプロジェクトを、メモしてみます。
教育産業、出版社系では老舗は「学研」ですね。私の子どものころは、業者の方が「科学」と「学習」を学校に売りにきました。毎号、「学習」の付録の読み物と、「科学」の付録の教材が楽しみでした。「ことわざ」を覚えたり、水栽培のサフランを育てたり、「科学と学習」がなければきっと体験しなかっただろうということはたくさんあります。そういう意味では学研という会社は、子ども時代にとても親しみのある会社でしたし、今でもある感謝の念があります。
その学研は、総合教材メーカーとしての方向性を探っているように見えます。
ナチュラル雑貨を扱っているのは驚きですが。
大人の童心をくすぐるアイテムというのは、学研にはふさわしい商品かもしれません。
しかし、学研の強みはなんといっても小中学生向けの実物教材にあると思います。今でもこの分野では、学研の「世界の不思議に対する憧れ」を刺激する力は衰えていないように思います。
時は新学期。自分が感じたワクワクを、子どもにも味わってもらいたいと思うのは、きっと私だけではないでしょう。
やはり定番。「4年の科学」「4年の学習」のページを見てみましたが、これを見て涙が出るほど懐かしく、ワクワク感を覚える人はきっと一杯いるんじゃないかと思います。
やはり勉強の喜びは、自分の知らない世界をのぞき見ているような、そういう興奮にありますね。それを小学生のうちに感じることができるかどうかが、その人の一生を左右するように思います。
ベネッセは教育産業の最大手に成長しました。中高生が中心だった「進研ゼミ」から小学生以下の子どもたちに対象を広げて成功したことが大きいでしょう。「親しみやすくて教育的な内容」、という親の望む最大公約数的な願望をうまく実現しているところにあると思います。
この「最大公約数の願望」というのをつかむところが企業活動としての営業の最も肝心なところでしょうし、また公教育がつかまえるのが苦手なところでもあると思います。
そういう意味で、ベネッセは現代の教育産業の最も代表的な成功例ということができると思います。
幼児教材は、今最も注目されているものだと思いますが、ベネッセはその先駆けとして、大きな先行者利益を受けていると思います。子供の興味のつかみ方など、たくわえられたノウハウは評価すべきでしょう。
いまや出産子育てはある種社会的、というか市場経済的にサポートされるものになってきています。教え教えられる人間関係が希薄になりつつある今、現実に助けられる人たちは多いでしょう。
原点の「進研ゼミ」も健在です。私も大学受験のときに受講しましたが、標準的で素直な問題で、自分の力を受験生全体、あるいは学習すべき内容全体の中で把握するのに役立ちました。「通信添削」は今でも、自分のペースで学習したい人、自分の「答案」の良し悪しをチェックしてもらいたい人にはコストパフォーマンスから考えて一番有効な手段ではないかと思います。
「歴史上の偉人たちの話を、わかりやすい文章と穏やかな語りでお伝えする朗読CDです。
改めて偉人達の人生に触れる時、忘れかけていたかも知れない純粋な少年の心を呼び覚ますでしょう。 さらに、2倍速、3倍速と速音聴が耳を鍛え、全脳を活性化! します。」というキャッチコピー。
こういう物はあまり信用できないとお思いでしょうが、商品リンクページに朗読のサンプルがあるので聞いてみてください。速音聴で偉人伝を聞くというのはなかなか秀逸なアイデアだと思います。脳の力を伸ばすとか、国語力をつけるというだけでなく、改めて偉人伝を聞いてみるのも心が洗われる感じになりますよ。