ベネッセは教育産業の最大手に成長しました。中高生が中心だった「進研ゼミ」から小学生以下の子どもたちに対象を広げて成功したことが大きいでしょう。「親しみやすくて教育的な内容」、という親の望む最大公約数的な願望をうまく実現しているところにあると思います。
この「最大公約数の願望」というのをつかむところが企業活動としての営業の最も肝心なところでしょうし、また公教育がつかまえるのが苦手なところでもあると思います。
そういう意味で、ベネッセは現代の教育産業の最も代表的な成功例ということができると思います。
幼児教材は、今最も注目されているものだと思いますが、ベネッセはその先駆けとして、大きな先行者利益を受けていると思います。子供の興味のつかみ方など、たくわえられたノウハウは評価すべきでしょう。
いまや出産子育てはある種社会的、というか市場経済的にサポートされるものになってきています。教え教えられる人間関係が希薄になりつつある今、現実に助けられる人たちは多いでしょう。
原点の「進研ゼミ」も健在です。私も大学受験のときに受講しましたが、標準的で素直な問題で、自分の力を受験生全体、あるいは学習すべき内容全体の中で把握するのに役立ちました。「通信添削」は今でも、自分のペースで学習したい人、自分の「答案」の良し悪しをチェックしてもらいたい人にはコストパフォーマンスから考えて一番有効な手段ではないかと思います。