8.「線香をあげる」という日本語を考える/「アオのハコ」に見る爽やかないちゃいちゃの無限の可能性/岸田首相は政治家として「何をやりたい人」なのか(03/21 07:24)


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それで思い出すのが戦前の濱口雄幸首相なのだが、彼も実に真っ当な人で、国際標準の金本位制に戻すために金解禁を行い、国民に協力を呼びかけたが、折悪く世界恐慌にぶつかってしまい、最悪の昭和恐慌をもたらしてしまったわけである。

当然ながら金本位制は今ではスタンダードでもなんでもないわけで、その時点での「正しさ」に固執したために大きな悲劇を招いたとも言える。この大不況がなければ彼が狙撃されそれが元で死ぬこともなかっただろうし、翌年の軍部の独走による満洲事変があれだけ国民に熱狂的に支持されたかもわからない。また血盟団事件や5・15事件なども昭和恐慌の影響は大きいと思われるので、右翼勢力の伸長も経済運営に成功してたらもっと違ったものになっていた可能性もある。

実直な人が実直な政策判断をした結果国家自体の破綻をもたらした、という前例があるから、「正しいことをする、正常化する」ということそれ自体が、間違っているわけではないけれども、それにこだわりすぎると危険があるということは常に意識していたいものである。岸田さんにはその辺のところ「ええ按配」に配慮してやってもらいたいと思っている。

ただ、今のところ彼は割と運がいいので、この正念場をうまくやれるんじゃないかという気もする。19日の市場は割と好意的な反応だったが、ドル円は151円を超えてきていて日米金利差が縮小しないと円安はまだ進む可能性があるし、アメリカの高金利が続くことでアメリカ企業が耐えきれずNY市場が暴落するようなことがあったらまた日経平均も下がる可能性もある。西側市場の危機はロシアや中国にとっては好餌なので、その辺も含めて頑張ってもらいたいと思う。

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まあ日本の現状は前門のネオリベ・ポリコレおよびアメリカ民主党、後門のロシア・中国等の軍事的脅威というなかなか大変な状況だとは思うのだけど、これもまたアメリカ大統領選挙の結果次第では全然変わって来るわけで、日本としてはあらゆる状況に備えていくしかないなとは思う。日本の守るべきものを守っていかなければいけない、という人たちが少しでも増えていくと良いなとは思っている。


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