7.六四天安門/小説の描写について/インターネットとクラブミュージックと坂本龍一/美術本を探す(06/04 13:05)


6月4日(日)晴れ

今日は6月4日。なんの日だっけ、と思い出せないでいたが、六四天安門の日だった。1989年だからもう34年。去る者は日々に疎しというが、もうそんなに経ったのだな。あれから中国の指導部も胡耀邦が失脚し、13年の江沢民体制になって、さらに10年の胡錦濤体制になり、2013年から習近平体制になったがこれはいつまでも終わらない感じになってきた。まあロシアがソ連崩壊後、エリツィン体制が8年の後プーチン体制が実質的に24年続いているのに比べればマシということだろうか。しかしその間にどんどん自由が奪われ、甘言を弄して香港を返還させたもののどんどん自由を奪っているわけで、中国の30年は決して明るいものではなかっただろう。ただ同様に日本でもバブルとバブル崩壊の後失われた20年が続き、アベノミクスで多少マシになったもののその安倍首相の暗殺など明るい話題の少ない日本もまた明るい時代だったとは言えないだろう。

先日友人とメッセンジャーでやりとりしていて、「また小説を書いて欲しい」と言われたので考えていたのだけど、以前と同じような小説はもう今書いても仕方ないかなという思いもあり、(またああいうのを書きたいという気もしなくはないのだが)全然違うものを書くのならばどういうものか、また自分にとって小説ってなんだろう、ということを考えてみると、「描写」かな、と思った。

ストーリーならマンガでも書けるし(自分は描けないが)、シナリオでもいいし、演劇の戯曲でもいい。いろいろ考えられる。でもそれなら小説でないと書けないものというのは何かといえば、つまりは「文章による描写」だなと思った。戯曲も説明にしてしまえばいわゆる「説明せりふ」になってしまってつまらなくなるし、映画やマンガはそれを映像や絵で見せるところに意味があるわけだから、結局「文章による描写」というものをできるのは文章系のものだけで、ドキュメンタリーとかでも描写はできるけど、より自由に描写しようとしたらつまりは小説しかない、ということになるのかなと思った。

描写、というものは好きだ。というか面白いと思う。これは志賀直哉の書評本みたいなのを読んだ時に思ったのだが、保坂和志さんだったか他の人の本だったか忘れたが、彼は「小説の神様」と言われるけど(小僧の神様ではない)こういう玄人受けする文章を神様にしてしまったために星菫趣味の現代では新たな「神様」を生み出しにくいのだろうなと思う。例えば村上春樹さんを「小説の神様」にしてしまっては、異議が出まくることは間違いない。

まあそういう意味で描写を中心とした文章を書いてみるのもいいかなと思い出した。昔描いた小説を引っ張り出して読んでみたが、今読んでみると一生懸命描写しているがその分展開がたるい。描写は長くなればなるほどある意味たるくなってしまうので難しいなと思うのだが、そこを飽きさせないのが手腕というものなのだろうなとは思う。

今朝はいろいろ考えながら車を走らせて、久しぶりに20号を富士見のほうまで走らせてから、八ヶ岳の山麓を北の方に向かって、原村から豊平の方に出た。途中景色の大きなところを通って、また里に向かって下っていくのだが、気持ちの良い道を走らせていた。その間、クラブ・DJ・ミックスという番組を聞いていて、これが思ったより良かった、というか楽しかった。こういうものを通して聞いたのは始めたのだが、やはり年代というものか話していた人たちがインターネットネイティブという感じで、「INTERNET YAMERO」という曲になるとネットミームが炸裂していて、これは面白いと思った。

Twitterのトレンドに坂本龍一が上がっていて、昨日はFMの「クラシックの迷宮」で、今朝はEテレの「日曜美術館」で坂本龍一の特集があっとはようで、確かに影響力の大きな人だったんだなと思った。黛敏郎の始めた「題名のない音楽会」が今でも続いているように、音楽家が時代に大きな影響を残すことはあるのだけど、いわゆる右翼だった黛がそういう意味で正当に表されにくかったのと同様、ゴリゴリの左翼だった坂本龍一が保守的な人々に評判が悪いのも(特に「たかが電気」発言)まあ、音楽は政治に関わるべきではないなと改めて思う。忌野清志郎は逃げ切ったが、坂本龍一は逃げきれなかったということなんだろうと思うが。

いろいろと状況や自分のやりたいことについてはっきりさせようと思っていたのだけど、なんとなく気がくさくさして先に用事を済ませてこようと思い、デ・クーニングやエミール・ノルデの画集などを買ったり借りたりしてこようと思って、先に図書館に出かけて書庫の本を請求したのだが、なかなかわかりにくいところにあったらしく、20分以上待たされた。その後古書店に行ってそれらを探したがなかったようで、「表現主義彫刻」の愛知県立美術館での図録を買った。面白いけど少し時代は古いのは残念。ジョルジュ・ミンヌという人の彫刻というよりその下絵が好きだなと思った。

いろいろ思うところはあるが、今日はこれで解散。

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