3.「おどろきのウクライナ」:国民国家なきイスラム世界/中国の権威主義的資本主義のゆくえ(12/08 06:30)


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ただ、現代の中国共産党政権の権威主義的な支配は、伝統的な儒教原理の「天命による支配」という正当化はできないわけで、でも現実には「王朝樹立者」である毛沢東の「後継者(いわばカリフ)」としての正当性しかないというのだが、私は実際には「10億人を食べさせていること」そのものが今は正当性の根拠になっているのだと思う。だから経済的にうまくいかなくなった時にどういうことが起こるかという問題があるので、中国共産党自体が経済に強くコミットするようになっているのだと思う。

しかし、習近平の無期限支配のようなものが定着しつつある現在、どのような支配原理でいこうとしているのかは割と難しい、というか香港を取り戻し「台湾を取り戻す」ことによる「中国世界の回復」を成し遂げたという正当性をその根拠にしようとしていることは感じられるわけで、ちょっと怖い感じはある。

ロシアがウクライナ侵攻をするのも「ロシアの大国としての正当性」の回復という目標は感じられるわけで、中国はここから学ぼうとしているのはよく見えるから、日本としてもウクライナを援助するしか道はないなと改めて思った。

ウクライナについての章はまた改めて感想を書きたい。



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