1.「2.5次元の誘惑(リリサ)」139話「淡雪」を読んだ:「夢を諦めた虚無感」と「コスプレを利用した罪悪感」に苛まれるトップコスプレイヤー(06/10 08:09)


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もちろん客観的に見たらそれだけの成果(テレビの取材を受けて日本一のコスプレイヤーと言われ、美大の同期で1番の年収を稼ぎ出したこと)が出せたことはすごいことだし、ここで区切りをつけて今度は「本当にやりたかったこと」に取り組めばいいだけだと思うのだけど、リリサが「コスプレへの思い」と「奥村への思い」との狭間で苦しんでるのを見て、つい自分のことを言ってしまったということなのだろう。

コメント欄にもいくつも「リリサの悩みとユキの回想はちぐはぐではないか」という指摘があるのだが、私もユキの話はリリサの「やりたいこと」と「恋愛」と「友人への想い」というそれら全てを成り立たせることができるのか、あるいは全てが崩壊してしまうのではないかという「怖さに耐えている苦しみ」とではズレがあると思う。

ユキの語りも、実際にはエリカの奥村へのアドバイスと同様、「天才であるが故の暴走」みたいな面はあるのだと思う。エリカが発想の天才であると同様、ユキがその発想を現実化する天才であったからこそ「淡雪エリカ」が成り立っていた、というのはこの話の世界では事実だと思う。

しかし、そう考えるとこういうリリサ・奥村・エリカ・ユキの「悩みの複合体」みたいなものが一体どういう話に昇華していくのか、また奥村への思いを募らせている美佳莉や、奥村を思っているアリアやまりなが揃ったことで、一体どういう展開がこれからあるのか全然見えてこなくて、だから次回奥村がリリサに何をいうのか、それに応えてリリサがどう行動するのか、先が読みたくて仕方がないことになっている。

2週間待ってようやく続きが読めた、と思ったらあっという間に読んでしまい、また2週間待つのかという感じで、そろそろ結論を読みたいという気持ちはとても強いのだが、まあここはこの作品最大の山場の、少なくともその一つではあるのだと思うし、ある種多少カオスな形で作者さんの想いや言いたいことが溢れ出ているのだろうとも思う。そういう意味では今こういう作品をリアルタイムで読むことは僥倖なわけで、それをリアルタイムで読んでいる幸せみたいなものも感じる。

長々と書いたが、つまりは「早く先が読みたい!」ということなわけで、また他の方々の感想も読んでみたいと思うのだった。

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