倉部史記『看板学部と看板倒れ学部』読了

Posted at 12/07/21

【倉部史記『看板学部と看板倒れ学部』読了】

昨日は忙しくて、今日は体調が悪い。昨日は暑くて、今日は冷たい雨が降っている。この気温の変化はかなり辛いものがあるなあ。

看板学部と看板倒れ学部 - 大学教育は玉石混交 (中公新書ラクレ)
倉部史記
中央公論新社

倉部史記『看板学部と看板倒れ学部』(中公新書ラクレ、2012)読了。この本は大変良かった。受験生、受験生の親、教師そのほか受験生にアドバイスする立場の人のうちの、ほとんどの人に参考になるだろう。もう少し理系関係の記述が詳細だともっといい気がするのだけど、文系関係の進学先選びとしてはこれはかなり参考になると思うし、理系であっても基本的な考え方は納得できる部分が多いのではないかと思う。

細かい内容についてはすでに書いているのでそちらを参照していただきたいが、大学選びとはそのあとの職業選択、人生の選び方などまで見通して考えるものだということをはっきり打ち出している。最後の方では「資格取得」をうたう大学は多いけれども、「資格信仰」に陥ってしまうといろいろ難しいことになる、という話が重要かと思った。

「2011年に小学校に入ったアメリカ人の子どもの65パーセントは将来現在存在しない職業についているだろう」という話があるそうで、それは言われてみるとそうかもしれない。ウェブデザイナーなどという仕事はウェブ誕生以前は影も形もなかったわけだし、写真の現像という仕事は昔はわりと面白そうな仕事だと思ったけれども、今ではそれを職業にして行くのは大変な状態になっているだろう。医師は食いっぱぐれないというけれども、京都大学で行われた起業講座の参加者の4割が医学部の学生だったそうだ。それだけ彼らも仕事の将来に危機感を持っているらしい。

いろいろな意味で、この職業についたらもう安泰という仕事はもうない、という時代になって行くだろう。そういう時代に生きるためにどのような学びをしていくべきなのか、ということもまた大学選びの上では一つの重要な要素になってくるだろう。

今日は短いけどこのくらいで。

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by Luke Peterson

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