時代の動きに身を削られるような思いを持つこと
Posted at 07/02/15 PermaLink» Tweet
昨日。午前中は仕事場に行って夜の仕事の用意とウェブ関係の仕事。サイト整備を一段落させて、気がついたところを少しずつ手直し。少し方向性というか、次のステップを考えて決めなければと思う。流れに乗って行けるかと思ったがそんな単純なものでもない。何をやるかを決めてそこに資源を集中させないと、一人で出来ることなど限られている。
昼食後はぼんやりと一休み。『SUPER JUMP』を何度も読み返す。「王様の仕立て屋」で「客の気分を損ねることなど一切恐れず、客が何を一番着たがっているかを考えろ」という言葉を何度も噛み締める。これは大事なことなのだ、多分サイトを作るなどの上でも。何を読みたいのか何を見たいのか、気分を損ねることを恐れるのではなく、一番読みたいもの、一番見たいものを書き、作る。妥協しないということだろう。考えなければいけないことは多いなと思う。
野口晴哉『体運動の構造Ⅰ』(全生社、1974)を読み返す。今まで自分で自分の背骨を触っていて頚椎がどんな感じのものなのかどれが何番なのかなどあまりよくわからなかったのだが、仰向けに寝て後頭部に手を回して頚椎を触っていたら突然ああこういう感じかというのがわかった。頚椎というものは(少なくとも私の頚椎は)自分の想像していたものよりもずっと柔らかくて弾力がある。だから触っていて骨なのかどうかあまりよくわからなかったのだ。胸椎は自分では触りにくいけれども、頚椎は自分である程度触ってわかるのでその動きなどを監察してみたいと思った。
午後から夜にかけて仕事。比較的暇。司馬遼太郎について少し調べる。ファンサイトというか、言及してあるサイトが異常に多いので「誰にとっても標準的に意味のある情報」というものを見つけ出すのが大変だ。Wikipediaの分析は標準的なものとしては上手くまとまっているのではないかと思った。ただいろいろ異論のある人はいるだろう。こういう大衆作家、「国民的作家」というのは誰か評論家が権威付けなくても十分売れるので返って研究が進まないのだろうと思う。そして時代が下っていくと、純文学の作家などに比べてものすごく急速に人々の認識から消えていく。司馬の作品はまだまだ映画化・ドラマ化されていないものもあるし、基本的に現在の時代の雰囲気的なものに合致する作品が多いので、しばらくは売れているだろう。しかし司馬は、晩年はとても時代を苦にしているというか、そういう雰囲気が強かった。時代への憂いのようなものが死期を速めたという感じがし、そのあたりは須賀敦子などと似ている。作家本人がそういう時代の変化に耐えられなくなるのに、作品はますますもてはやされていくということはあるわけで、なんだか矛盾というか皮肉なものだ。
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時代の風潮に身の削られるような思いのするということは、司馬や須賀の感じたこととは違うけれども、私にもあった。今はそれほどは感じないということは、その頃に比べれば自分がいいと思う方向に動いたこともあるということだ。このあとどう動くかはわからないが、身を削られるような感じをもつということは個人の持つ限界から考えると無理なことだろうし、もっと冷静に見極めて自分なりに社会への発信と反応をしていくしかないのだと思う。
夜は早めに就寝。
***
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