8.自分の「勘」を失わない/「今ここにいる自分」から始めること、とか(06/11 08:27)


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今朝も、寝床の中でいろいろ考えたのでそんなことをちょっと書こう。

昨日読んだものの中で野口晴哉公式サイトの画家・中川一政との対談が面白くて、誰かに学んでしまったらその人を越えられない、という話があり、人に習うことによって自分をなくしてしまう、という。これはつまり頭で模倣するからで、自分の勘のようなものを失わないようにしないといけない、という話が面白かった。だから教えると言っても自発性が育つような教え方をしないといけないと。またこれは全生に書いてあったことだけど、泣くのも自発的に泣かないといけない、自発的に泣いたならば浄化されすっきりする。泣かせてはいけない、と。自発的、というのがとにかく生命のキーワードだなと思った。

ついでに思い出したので書いておくと、古事記の一番最初に「天地初発之時」という言葉が出てきて普通は「あめつちはじめてひらけしとき」と読むのだけど、これは天地が自らの力で開いた、という生命的なイメージがあって、この辺がこの世が神によって造られたとするキリスト教的世界観と真反対で、私はこの古事記のイメージ方が好きだなと思っている。

まあいくつも並列的に並べることになるが、次は「焦りは禁物だ」ということ。この辺はおそらくひきこもりの本を何冊か読んでて思ったことなのだけど、ひきこもりの人だけでなく普通の状態にある人でも大事なことだと思う。「焦りは禁物、今ここにいる自分から始める」ということ。ここにいる自分、というと焦っているとき、落ち込んでいるときにはネガティブなイメージになってしまうけど、心をひらけばいろいろなことが感じられるはずで、その中には美しいものや楽しいものもあるはずなので、そういうものを感じるところから始める、みたいな感じかなと思う。焦るのは手に届かないもの、手に届きそうで届かないものを欲しがって無理をしてしまうことにつながり、無理をし過ぎると自分の感覚が摩耗する。常に今の自分の「感じられる感じ」から始めた方がいい、ということを考えた。

そうなるためには、「何も考えず、美しいものだけを見る」ということが必要な時もあると思う。美しいもの、は美味しいもの、でもよくて、適当に食べられればなんでもいい、ではなく、自分が美味しいと思うもの、思えるものを食べて、本当に満足する、ということが必要だと思う。これは、東京だと外食ばかりになるので、久しぶりにご飯を焚いて味噌汁を創ったら、おかずはお惣菜でも十分美味しくて、久しぶりに満足した、ということがあったのでそう書いているところもある。

美しいものしかなくて、仲の良い人(動物とかもいてもいい)しかいない世界、というのはつまり天国なわけだけど、そういう天国のことだけを考える、というか。まあこの辺変な方向に捉えられると妄想から抜けられない人みたいになってしまうけど、ただ、自分が生きやすい環境をつくる、というのはそういうことだと思う。自分の心の中に天国を持ってる人は、多分生きていくことのストレスが少しは少ないのではないかなと思う。まあ猫飼ってる人とかそういう環境を作りやすいのかもしれないな。この辺は好き好きだけど。

あとこれは整体の話だが、「自分の体の中に妙なる処をみつける」という話を月刊全生で読んで、面白いなと思った。

それからこれは『暗闇でも走る』にできた言葉だが、仕事にはライスワーク(食うための仕事)、ライクワーク(好きだからやる仕事)、ライフワーク(使命感からやっている仕事)があり、この三者にはいい悪い、優劣はない、というのがあって、まあちょっとどこかのコンサルが考えた感じの言葉だなとは思ったが、言いたいことは分かるなと思った。多くの人は食うための仕事をしなければいけないけど、それがなければ世の中が回らない。好きでやっている仕事は創造性が発揮されるから、世の中を進歩させるだろう。使命感からやっている仕事は、世の中のひずみのようなものを直す力があるから、またこれも大事な仕事だろうと思う。

私が思ったのは、ライスワークは嫌だなあと思っていて、やはり人間として生まれてきたからにはライフワークが必要でしょう、みたいに思っていたけど、そこに優劣はない、と言われて確かにそう考えた方が世の中が広がるし、いい考え方だなと思った。

で、私はライフワークにこだわり過ぎ、ライスワークを卑下してしまっていたけど、自分の本当にやりたいのはライクワーク、好きな仕事なんだなと改めて思ったこと。それらの仕事に優劣がないならば、思い切って好きな仕事をできるよなあと思う。職業に貴賤なし、という言葉も、この角度から考えるとまた違う意味合いを持ってくるなあと思ったり。


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