藤堂明保『漢字とその文化圏』を読み進める。自分の知っている部分は読み飛ばしながら読む。特に古代史の部分で、最近の研究成果が反映されていないのはまあ仕方がないことだ。書かれた当時の研究常識と言うか、そういうものがわかって興味深いという面もある。しかし、いつも思うのだが、研究の進展によって実は本質から外れていっているということもあるのではないかと言う疑問がある。その本質とは、そういうことになると、実証主義的な歴史学の方法で知ることの出来ない部分、ということになる。それでは歴史学の立場からすると非科学的になってしまうが、史料は偏って存在しているということにもう少しセンシティブであってもいいのではないかということかもしれない。藤堂の出身が大連だということははじめて知った。
漢字の成り立ちの理解が、思うに藤堂と白川静氏ではかなり違うような気がする。白川氏の方がより古怪なかたちの理解をしているように思うし、その分私などは説得力を感じる。藤堂の歴史理解には唯物史観的な部分が多く、それこそ批判的に検討しないと使えない部分が多いし、少々近代主義的な理解が混入している感じがする。東京に戻ったときに白川氏の理解と比較してみたいと思う。
SAPIO最新号とコミック乱TWINSの最新号を買う。『梅安』なかなか面白い。後は小栗上野介を扱ったもの。SAPIOでは「新ゴーマニズム宣言」。「改革」は日本らしさを破壊する、という主張をどんどん鮮明にしている。その主張はよく理解できるが、その通りに事態が推移するのかは私にはよくわからない。業田の政治漫画で、杉村タイゾウのキャラが笑える。
ワールド・ビジネス・サテライトに村上世彰が出演していた。4児の父というのはちょっと驚いた。ずいぶん福耳の人だ。まあ長者の風格というものはないが、この人は生き残りそうな感じがする。数十年経ったらある種のドン的な存在になっているのではないかという気がするな。しかし、彼の仕事が自分に関わってくるかというとほとんど接点は見えない。アプローチは出来ないが影響だけは受けるというまあそんなことをやる人ではあるだろう。そう考えてみるとこれからの世界もすごいことになるんかなあ、と感じる面もあるけどね。
ロッテが二連勝したそうで、ソフトバンクにもちょっとがんばってもらいたい感じだ。どこのブログで読んだか忘れたが、アメリカで一番嫌われている監督はボビー・バレンタインなのだそうだ。なぜかというと、あまりに何に関しても優秀な人間で嫌味な存在だ、という反発を受けているということらしい。嫌味なほど優秀な人間、というイメージに関し、アメリカと日本とではかなり違いがあるのだなあとまあそこに私は興味を覚えたのだが、日本だとどういうことになるのかな。なんというか、バレンタインという人は、私などから見ると「よきアメリカ人イメージ」のスタンダードな線を実現しているとは思う。日本では、外国人であるということで既にイロモノになるから、嫌味が薄れるということなのだろうか。まあしかし、ゴアよりもブッシュを選んだアメリカ人の嗜好と重なるところはあるなと思う。アメリカはエリートの強い社会であるだけに、大衆のエリートに対する無意識の反発も相当強い社会なのだなと思う。
ラテン語は勉強できず。そのほかの読書も進まず。今日はじっくりいろいろ進めたい。
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