4727.建国記念日/社民党の先祖帰り/トリノ五輪開幕/プーシキンの民話(02/12 08:54)


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「漁師と魚の話」は日本でもありそうな「舌切り雀」パターンのよいおじいさんと悪いおばあさんの話。おばあさんの「悪振り」が極端でいいし、また最後の落ちがぞくぞくするほど面白い。これが民話の魅力でありまた、勧善懲悪の魅力だよなあと思う。昔寝る前にダンテの『神曲』を読み、「悪いことをした」人たちが地獄で苦しめられているのを見ると不思議に落ち着いてすやすや寝られたものだが、そういうすっきり感のようなものが「勧善懲悪」ものの大きな魅力なのだろうと思う。それがソフィスティケート(あるいはアンソフィスティケート)されると水戸黄門の印籠になるんだろうが、あれはあんまり解放感がない。しかしあれを好きだと感じる人が感じるものもそういうものに近いのだろうなとは思う。それにしても、「赤いろうそくと人魚」ではないが、海の絡むこうした話はどうしてこう絶対的な「こわさ」を持つのだろうと思う。海に対する私の中にある畏敬の念が、そういうものに刺激されるのだろうか。

「死んだ王女と7人の勇士の話」。これはまるっきり白雪姫なのだが、王女の婚約者の王子が行方不明の王女を探して太陽に問いかけ、月に問いかけ、風に問いかける場面が非常にリリカルで気持ちがじわっとやわらかくなる。この話はとてもいい。

「金のにわとりの話」。これはリムスキー・コルサコフのオペラにもなっていたし、市川猿之助が演出したこともあった。私は観たこともないし読むのも初めてなのだが、非常に不思議なテイストの話で、魅力的である。奇妙に不条理なところがある。何の寓意なのか分からない不思議さが爾来議論を呼んできたようだが、それも話の面白さがあってのこと。そういう議論を読んだこと自体が作者としては会心であったに違いない。

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