4531.お見舞い御礼/戦後政治/安倍晋三『美しい国へ』(07/22 10:02)


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この昭和16年から17年にかけて存在した「同交会」のメンバーは昭和17年に実施された翼賛選挙、つまり東條内閣による推薦選挙で非推薦となった議員が多く、また逆に非推薦で当選した89人の議員のうちのかなりの部分を占めた。(ちなみに戦後街頭活動で知られた赤尾敏も東條内閣に反抗し非推薦で当選した人物である。彼は反共の立場から英米との提携を主張していた。)昭和17年といえば大東亜戦争緒戦の勝ちいくさに湧いていた時期であり、そのような時期に行われた選挙でそれだけの非推薦の当選者を出すという日本国民のバランス感覚というものも侮れないものがあると思う。このあたりのことは以前古川隆久『戦時議会』(吉川弘文館、2001)を読んである程度知識はあったのだが、『大政翼賛会に…』はその時期の同交会の議員たちのケーススタディーと言うべき作品である。まだまだこの辺の研究は不十分であると思うが、「戦後」もまた歴史の一ページになりつつある現在、戦前に胚胎した「戦後」の源流として研究の進展が望まれる分野ではある。

<画像>戦時議会

吉川弘文館

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