4524.『マンガ嫌韓流』を八重洲ブックセンターで買う/現代中国事情が分かる二冊(08/07 21:34)


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一昨日帰京。どうも今週は疲れ切ってしまった。

昨日今日と午前中は使い物にならず。昨日は午後遅く日本橋に出かけ、丸善と八重洲ブックセンターを梯子。どこを探しても見つからなかった山野車輪『マンガ嫌韓流』(普遊舎)を八重洲ブックセンターで発見。何箇所かで平積みになっていた。立ち読みする人も結構いた。私も当初は買うつもりはなかったのだが、これだけどこに行っても置いていないとまた買う機会がなくなってしまいそうなので購入することにした。販売店が自主規制という名の言論統制をすることによってよけい購買意欲がそそられるというのはある種のタブーを破る快感から来るものもあるのだろうけど、この本に書いてあることは至極真っ当なことで、そうしたタブーを破る快感のようなものはあまりない。

そのあたりは、10年ほど前に差別語の問題を正面から批判した当時のゴーマニズム宣言ほどのインパクトはない。というのは、すでにネットで日韓関係のサイトを良く見ている人ならだいたい常識となっていることが多いからである。たとえばチマ・チョゴリの女学生を狙って切りつける事件が金日成死後ぱたっとやんだことを取材した「きむ・むい」氏が数ヵ月後死体となって発見された事件などである。しかしこういう事件は印刷媒体にはいまだなかなか取り上げられてはいないので、そういう意味では画期的でもあるし、またいわゆる『プロ市民』の「討論」の実態などが取り上げられているのも若い世代の(つまり小林よしのりらよりも、ということだが)マンガとしては新しいことだろう。われわれの世代までは彼らの論法につい引っかかるナニがあるが、もっと新しい世代の論客は徹底的に哀れみ手玉に取る技術に長けているような気がする。まあそれは平等とか平和とか人権とかの理念の空疎性に対する認識がより強いということだろうと思うし、あまりにニヒリズムが勝ることが本当によいことなのかどうかはちょっとわからない点もあるのだが。

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