どこで読んだのか忘れたが、中曽根元首相が白洲次郎に「ディシプリンdiscipline(規律)が重要なのか」と聞いたら「いや、プリンシプルprinciple(原理)が重要なのだ」と答えたというような話があるが、規範意識というのはそのプリンシプルということになるだろう。プリンシプルを持てば常に臨機応変に対応できるが、ディシプリンしかなければ想定外の出来事には全く対応できず、硬直化があらわになる。日本人のディシプリンは農村共同体的な人情意識に基づくものと(愛の鞭とか涙の折檻とか)官僚的な杓子定規な規律に基づくものとに走りがちなのだが、その両者を乗り越える国民的な規範意識のようなものが十分に形成されていないというのが国政運営上も外交上も非常に大きな桎梏になっているように思う。
この問題点は、いまだに克服されていないどころか、問題としてまだ十分意識されていないように思う。丸山を再評価するなら、そういうところからしなければならないと思う。
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