一昨日帰京。昨日は疲れて余り使い物にならなかったが、連絡が取れずに困っていた人と連絡が取れたり、懸案になっていた散髪に行ったり、切れていたコーヒーとお茶を買ってきたりと雑用がずいぶん片付いたのでまあ良かった。散髪も、ひげを伸ばしているので顔をあたってもらわなかったため、先に座っていた人より早く終わり、ずいぶん楽だった。しかも安い。ひげを自分で整えるのはまあめんどくさいのだが、散髪が早く終わるのは楽でいい。
大蔵雄之助『一票の反対 ジャネット・ランキンの生涯』(文藝春秋、1989)を読み進める。大蔵氏はTBSの元モスクワ特派員だが、大学のときに講義を受けたことがある。ソ連の政局を分析した話が主だったが、政策や政治論より政局論が中心で、ブレジネフ死後アンドロポフが書記長に就任することを的中させたとかその当時ホットな話題が中心だった。
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ジャネット・ランキンという人はこの本で初めて知ったがアメリカ初の女性下院議員であるだけでなく、選挙で選ばれた国政レベルの議員としては世界初であった人物だという。もともとは女性の参政権運動からはじめたがのち平和運動が主体になり、第一次世界大戦のアメリカ参戦に反対票を投じたため次の選挙では婦人団体の支持も得られず落選したとか、そのあたりを読んでいる。20世紀前半のアメリカの政治風土というものはあまりよく知らなかったが、この本はかなり具体性を持ってそのあたりを知ることが出来、興味深い。
そういえば19世紀のアメリカの政治風土について一番印象に残っているのはテレビ朝日開局当時「ザ・ビッゲスト・イヴェント」と銘打って放送されたアレックス・ヘイリー原作『ルーツ』だった。南北戦争後の反動の時期、黒人は選挙権を得たものの実際にはなかなか行使できなかった実情など、深く印象に残っている。そういえば昔はアメリカでもこういう「社会派」の作品というのは多かったなと思うが、最近は全然知らないな。あってもムーアの『華氏911』とかとても見る気にもならない作品だし。あれはまず題名がブラッドベリのパクリであるところが最低だ。ああいうカマシ的な野郎(失礼)が信用できないということもあるのだが。
『一票の反対』はまだ読書中。
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