人の話に聞く耳を持たないメインストリームの進歩主義者というのは見ていて辟易するが、ファッションの世界ではどんなに傲慢な独裁者であっても結果を出さなければ見捨てられるので常に緊張した立場にある。
ファッションは、人間が美しく豊かに生きるためのもの、という著者のテーゼには強く共感する。何が美しく何が豊かであるかという点については考えなければならない点が多いが、というかそこにメインストリームとオルタナティブの対立が起こるわけなのだが、美しく豊かに、というテーマは呪文のように唱えていたいものだと思う。それが本当に美しく豊かに生きることにつながるのか、と問い掛けてみることは、わりと意味がある行為なんじゃないかと思う。