「逃げ若」は私もTwitterアイコンを北条時行にしているようにとても好きなのだが、集英社「少年ジャンプ」の作品が小学館漫画賞というのはやはりポイントが高いと思った。まあ「ジャンプで歴史漫画」というチャレンジに成功したという意味で無条件に評価しやすいという面はあると思うのだけれども、それにしてもこの受賞に対する松井雄星さんの「君がやってきたことは間違ってなかったんだよ』っていうのを言っていただいているような気持ちになりました。」という感想はそうだろうなあと思った。
今回の受賞は「数字であそぼ」以外は連載で読んでいる作品でもあり、やはり感慨があるのだが、芦原さんの事件で作者さんや選者の皆さんをはじめとする読者の皆さんもより漫画に対する思いが深まったということはあるのではないかと思った。今回の事件で明らかになった日本テレビをはじめとする実写ドラマ制作側の姿勢を見ても、漫画を軽んじる姿勢はまだ社会から無くなってないなと思うし、そういう意味でも作品を正当に評価していくことは今後ともとても重要なことだと思う。
私もずっと「感想」という形でマンガについて書いてきているのだけれども、ファンの目線での感動や反発を伝えていくのも大事だと思うけれども、作品として良くできているとかテーマにチャレンジがある、作画の上で新しい境地を開いているなどファン目線に止まらない批評的な部分ももっと積極的に書いていくことで、もっとマンガを書く作家さんたちの力になれたらいいなということを強く思った。そのためには勉強しなければならないことも結構あるだろうなあとは思うのだが、少しでもそうした麺を磨いていきたいと思う。