15.大宇宙開発時代に「コズミックフロント」終了/イスラエルの新聞「ハアレツ」の立ち位置/経済学が倫理的であるべきこと/より良い対話の技術としての弁論術(11/25 08:21)


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自分の部屋の岩波新書を探していたら、本棚で渡辺靖「<文化>を捉え直す」という本を見つけた。多分これはタイトルで買ったのだけど、想像していたことと内容はかなり違っていた。パラパラみていたらアルマティア・センというインドの経済学者が出てきて、この人はアジア人で最初にノーベル経済学賞を取った人らしいのだが、倫理と工学の両面からの経済学をとらえるアダム・スミス以前の伝統への回帰のようなことを言っていて、とても面白いなと思った。経済学の議論を見ていてあまり面白くないなと思ってしまうのは、社会をよくするためにはどうしたらいいかという議論がなくて、経済を回すための工学的な理論ばかりが先に立つ感じにあったのだけど、こういう方向性もあり、それがノーベル賞を取るくらいには経済学周りでも評価されるのだなということだった。

もともとアダム・スミス自身が「道徳感情論」を書いていて、道徳は彼にとって重要な問題だった。1943年のベンガル大飢饉を原点とするセンの貧困に対する問題意識の強さが彼の経済学を生んだというのは感銘を受けた。

ということで日本の問題について考えたのだが、例えば諸外国では「氷河期世代」のような現象は起こっているのだろうか。飢饉や貧困は市場の失敗が原因であり、自由な政府があればそれは防げるというのがセンの理論だと思うが、労働市場における「市場の失敗」はなぜおこったのか、そのあたりの分析はあるのだろうか。

インドで世界的な経済学者が生まれ、GDP2−3位の日本ではノーベル経済学賞受賞者ゼロというのは日本の経済学が国家や社会に切り込む研究がなされてないからではないかという気がしたのだが私が知らないだけなのか。「就職氷河期」の問題は経済学者が取り組むべき問題である気がするのだが。

経済学という学問が、誰がどう儲けるかという話にとどまらず、より皆が豊かになってより良い社会になることを目指す学問である、というあたりの部分を取り戻すことを考えるためにもセンの経済学については勉強していかなければならないところがあると思った。

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