10.東京都現代美術館で所蔵展「被膜虚実 廻る呼吸」を見た。(05/29 08:43)


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5月29日(月)雨

昨日は二週間ぶりに帰京し、帰りに東京駅で弁当を買って、丸善で「淡交テキスト 茶趣としつらい十二か月」と「現代アート投資の教科書」を買った。これから夏に向けて、和風住居での過ごし方のようなものを少し考えようと思って前者を買い、自分のアートに対する向き合い方を少し考えようと思って後者を買った。

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帰宅していろいろ郵便物をチェックしたり。どこかに出かけようと思っていたのだが、行きたいところということで思いつくのがアート関係だったのだが、日曜日だとどこも混んでるなあと思いつつ、地元ならいいかと思って東京都現代美術館へ行った。

https://note.com/kous37/n/n8f9c92b52f42

仙台堀川公園をずっと歩いていき、途中で横十間川と交差するところでかなり多くの散歩客がいたのだけど、みんなが見ているのでなんだろうと思って見たら、サギが群れていてへえっと思った。ツイッターに写真を投稿したら反応があって、23区内で唯一のサギの繁殖地だということが分かり、ちょっと驚いた。

途中で対応しないといけない案件があったので銀行のATMに寄ったのだが、あまりコースから外れないで行けたのでよかった。

行くと予想以上の混雑で、何をやっているのかと思ったら「クリスチャン・ディオール展」だった。基本的に何か目当てのものがあって見たいわけでもないから常設展・所蔵展を見ようと思い、「皮膜虚実 めぐる呼吸」を見た。今パンフレット(無料)を見ると、1階の展示が「被膜虚実」で3階の展示が「めぐる呼吸」だったようだ。

https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-230318/

久しぶりに日本の現代美術というものを見て、結構面白かったのだが、特に好きだったのをいくつか挙げてみる。

1階ではホンマタカシ氏の連作写真作品。1970年代くらい以降にニュータウンとして新しく作られた「都市」というか宅地造成地の造形的な面白さというか、いわゆる「トマソン」と言われる物件の面白さにも通じた、なんというか「これ?」みたいな形の自然な不自然さみたいなものを、自分は結構面白いと思っていたのだけど、今までそれを取り上げる人がいなくて、作品を見て、「そうそうこれこれ。おもしろいよね」と思った。

目を引いたのが名和晃平氏の作品。鹿の剥製にアクリルのシートとアクリルボールがはりつけてあって、本物の剥製なのに変に偽物っぽいというか、そのへんが面白い感じがした。

3階はサム・フランシス(1923-94)の作品。太さのある多色の線が上下に何本も引かれているさまは、DNAの鎖状とかアオミドロの顕微鏡写真のような妙に生物学的なものに見えて、カンディンスキーのコンポジションのある種の進化形なのかなと思った。

また、遠藤利克氏の「泉」は巨大な黒い穴の開いた円柱が広い空間に横たえられていて、なんだかすごかった。両端の穴をのぞいてみると向こう側が見えて、これは面白い、巨大な土管みたいなものだと思ったが、今パンフレットを見ると中をくりぬかれた丸太を燃やして黒焦げになったものだと知り、へえっと思った。その存在感の面白さに材質までは見ていなかったのだが、またみる機会があったらもう一度じっくり見てみたいと思った。

パンフレット以外にも作家一人一人のカードが置かれていて何人かのカードはもらって帰ったのだが遠藤氏のものはなく、残念だった。会期は3月から6月までみたいなので、もうなくなったということなのかもしれない。


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