5.『One Piece』の尾田栄一郎さんと宮崎アニメと『くるみ割り人形』。(07/15 11:58)


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尾田さんが『クルミわり人形』についているというのを知って、私がまず思い浮かべたのは、今連載が続いている『One Piece』のドレスローザ編に出てくる人形の「片足の兵隊さん」でした。片足であることをのぞけば、クルミわり人形とそっくりです。このクルミわり人形は実は物語中に出て来るレベッカという女の子のお父さんなのですが、そこに娘を持つ父親でもある尾田さんの親子関係、願望が投影されているのだそうです。もともと親子関係というものは、恥ずかしくて作中には描けなかったのが、はじめてニコ・ロビンと母親の関係で「実の親子」の関係を描いたのだそうです。

確かに、私も考古学者の島・オハラの話でロビンの母親が出て来たとき、「実の親子は初めてだな」と思いました。(設定上は、革命家ドラゴンが実は主人公ルフィの父、という設定はあるはずなのですが、この時点では明らかにされていません)それは、自分の中の親子のイメージが、両親と自分という関係から自分と妻と子供、という関係に変化したことの現れ、なのだそうです。そう言う話もとても面白く感じました。

尾田さんは本当に宮崎さんのファンらしく、とにかく宮崎さんの絵を見たい、もっともっと描いてほしい、と思っているんだそうです。「ちょっとした落書きだって、宮崎さんが描くと凄く雰囲気がいい。見ていてほっとするんです」と言われていて、それは本当に良くわかるなあと思いました。作家、特に絵を描く人の本当の才能のようなものは、むしろそう言うところに現れるんじゃないかな、と私も思います。

「クルミわり人形」、宮崎駿さん、尾田栄一郎さん。それぞれ名作であり、巨匠であり、大人気作家であるわけですが、そうやって受け継がれて行くもの、流れて行くものがあるんだなというのを見ていると、素敵な気持ちになります。

世の中は、そんなに悪いものでもないんだな、って。


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