38.守られている感とか美味くてやばいとか/黒人、フランス語、ジャズの三題噺/ふみふみこ「ぼくらのへんたい」の魅力(03/20 17:37)


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【守られている感とか美味くてやばいとか】

昨日。出かける前に東陽町駅で刃物振り回し事件があったことを知るが、まだ家にいた時間だったので私は影響はなかった。地下鉄サリン事件の時も(今日はちょうど18年だそうだ)場所的にはけっこうかすったが影響はなかった。こういうときは何かに守られているのかなということを感じたりはする。私は財布とかを落としてもほとんど出て来る人なので、けっこうそういう「守られている」感はあるのだ。先祖なのか、もっと高いところにいる神さまなのか、その辺のところは分からないのだけど。

昨日は行きがけに近くのパン屋でスモークハムのサンドイッチなどを買ったのだが、これがびっくりするほど美味しく、自然に「やばい」という言葉が浮かんだ。何度も食べたことあるはずなのだけど。この時感じた「やばさ」というのは、美味しすぎて食欲が刺激されてつい食べなくてもいいものを食べてしまうのではないかという感じのやばさだった。

【黒人、フランス語、ジャズの三題噺】

東陽町で東西線に乗って大手町で降りる。今日は19日だったということを思い出し、『コミックリュウ』の発売日だし、昨日大塚英志を読んで興味を持ったプロップ『昔話の形態学』がないかと思って丸善丸の内本店に行ってみたのだ。『昔話の形態学』は全然置いている気配がなく、関連書籍を調べて見たが読む気になりそうな本ではなかったので買わなかった。『コミックリュウ』は買ったのだが、評論的なものを何か買おうと思って探していたら、海外文学の評論のところで『二グロと疲れずにセックスする方法』という本があって、何だこれと思う。これをぱらぱらっと立ち読みしてみたら、評論ではなく小説だった。その時読んだ印象では70年代初めのサブカル的な黒人文化の世界が描かれている感じがして、私もマリファナの話題ばっかり扱っていた頃の『宝島』とかを中高生のころに溜まり場みたいなところで読んでいたので、(考えてみたら変な経験を持ってる中高生だ)なんとなく親近感を感じ、買ってみた。

<画像>ニグロと疲れないでセックスする方法
ダニー・ラフェリエール
藤原書店

最初のころにマイルス・デイビスとかフロイトとか出て来るのでアメリカ黒人の話かと思ったら、原題や著者がフランス語で書いてあって驚く。フランスのアフリカ移民の話かと思ってもう少し読んでみると、作者がハイチ出身だということが分かった。ハイチか、そりゃ何というか最貧国で政情も不安定でそういう場所の話なのかな、でもそれにしてはインテリっぽい話が多いなと思って読んでいると、実はモントリオールでの話だった。黒人、フランス語、ジャズという三題噺で一体どこが舞台なのか頭の中で二転三転してしまったが、これは日本でも公開されていた『間違いだらけの恋愛講座』という映画の原作でもあるらしい。邦訳の出版は去年の12月で、だから新刊書として並んでいたのだが、評論のところにあってこの題名では一体何かと思ってしまう。まだ少ししか読んでいないが、何と言うかどっぷりインテリアナーキーな感じの黒人文学という感じだと思った。そして思いのほか日本への言及が多い。作中人物が読んでるのが三島由紀夫だし。いろいろ調べて見ると、フランス語圏では注目されている作家のようだ。ル・クレジオのようにノーベル文学賞を取れそうな人ではないかもしれないが、興味深い作家ではあると思った。



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