36.ふみふみこ『ぼくらのへんたい』と世界文学または現代アート:逃れられない三つのもの、「死」と「セックス」と「国家」/『さきくさの咲く頃』『そらいろのカニ』:愛の不可能性より愛の可能性(03/26 09:07)


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<画像>火の鳥 1・黎明編
手塚治虫
朝日新聞出版

「男とか女とか、そんなに大事なこと?」というのは『ぼくらのへんたい』の4人目の男の娘、「ともち」の発言だが、『そらいろのカニ』を読んでいると、明らかにふみふみこ自体がそういう感覚を持っているのだと思う。それがすべてではないだろうけど。それに対して「まりか」は、自分の男としての肉体に感じる違和感、女の子になりたいという気持ちは大事なことなの、という。歴然と男だけど、決然と女である、という、ある意味一番「弱い」まりかが一番「強い」というパラドックスが露わされているのだが、「男であるとか、女であるとか、そんなに大事なこと?」という疑問自体がやはりふみふみこにとっても大事なことなんだなと思った。


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