『熱風』の特集は「グローバル企業とタックスヘイヴン」というスタジオジブリの広報誌がなんでまた、みたいな特集なのだが、まあ考えてみると宮崎駿も高畑勲もそういう人だし、そういう資本主義の病理みたいなものに対する批判もまた彼らの作品にはあるわけだから、児童向けアニメスタジオの広報誌としては異例だと思うが、まあらしいと言えばらしい特集だなと思った。
<画像> | ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ (文春ジブリ文庫) |
文藝春秋 |
文庫本で買ったのは『ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ』(文春ジブリ文庫、2013)とホメロス『イリアス』上(岩波文庫、1992)。ナウシカは、立花隆という意外な人がナビゲート役をやっているのが面白い。記事は制作前の高畑と宮崎の対談から始まって80年代のインタビューや90年代の記事、つい最近のものまで含めてナウシカをめぐる歴史みたいになっている面もあって面白かった。『イリアス』はまだ読み始めたばかりだが、なぜ今までちゃんと読もうとしなかったのかと思う。まだアガメムノーンとアキレウスの口論の場面だが、大変面白い。今から3000年も前にできた話だとは思えないものがある。
<画像> | イリアス〈上〉 (岩波文庫) |
ホメロス | |
岩波書店 |