29.ティム・ボウラー『川の少年』/『十五少年漂流記』と『進撃の巨人』/「少年」をこじらせ続けて数十年:『ランドリオール』『ぼくらのへんたい』『来世であいましょう』(06/12 15:42)


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私が今、毎週買っている雑誌は『モーニング』と『週刊漫画タイムズ』だが、毎月買っている月刊誌は9日発売の『別冊少年マガジン』(『進撃の巨人』、『悪の華』など)、19日発売の『コミックリュウ』(『ぼくらのへんたい』、『木造迷宮』、『思い出エマノン』、『陰陽師』など)、28日発売の『コミックゼロサム』(『ランドリオール』など)の3冊がある。

<画像>Landreaall 19 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
おがきちか
一迅社

そのひとつ、目当てで買ってる作品が『ランドリオール』なのだが、この作品も主人公DXを中心に仲間たちが描き分けられ、世界の謎に挑みながら、新しい世界をつくっていこうとする、その前段階のようなストーリーだ。少年という存在の隠れテーマは仲間、友情なわけだが、それが上手く表現されている。自分の運命をいかにやすやすと乗り越えていくか、みたいなテーマがあって、運命や宿命とかと、少年がいかに戦っていくかと。自分が心から強く魅かれる作品というのは、結局少年がテーマになっている作品なのだということが考えていてどんどん分かってきた。

<画像>ぼくらのへんたい 3 (リュウコミックス)
ふみふみこ
徳間書店

もうひとつ、『ぼくらのへんたい』もまた同じだ。ここにある女装する中学生男子三人の関係が、恋愛というべきなのか友情というべきなのか、にわかには判断しがたいところはあるけれども、その友情と愛、それぞれの持つ過去と現在、その運命との向き合い、戦い。「男であることへの違和感は、自分にとってはすごく大事なこと」というまりかのことば、男への性愛に目覚めさせられた少年の日と思いだしたパロウ、姉への思いから抜け出せないユイ。その三人の間に成立したのは、たぶん単に一対一の愛ではなく、生きることへの困難さへの共感のようなものだっただろう。

その三人とは微妙に立ち位置が違うともちが、学生服で現れた時のりりしさ。1年の時はセーラー服で学校に来ていた少年が、身長が伸びてしまって着られなくなり、「もういいかな」と思って学生服になったのが、ぞくぞくするほど魅力的に見えた。


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