24.宮崎駿監督作品『風立ちぬ』を観た(07/24 15:32)


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【宮崎駿監督作品『風立ちぬ』を観た】

スタジオジブリの新作、宮崎駿監督作品の『風立ちぬ』を見た。

どのタイミングで見に行くか考えていたのだが、東京でなく諏訪でも見られるものを貴重な東京の時間を使うのではなくこちらにいるうちにみたいという気持ちもあったし、なるべくこまない時に見たいというのもあった。東京ではもう学校が夏休みに入っているが、こちらではまだなので、子どもが見に来ないから早い時間なら空いているだろうという考えもあったので、平日の水曜日、一番早9時15分からの回で見ることにしたのだ。とはいえ岡谷のスカラ座は行ったことがなく、車でどのくらいかかるかもわからなかったが、30分前に出たらだいたい間に合った。

昨日のうちはまだ迷っていて、いろいろとやろうと思うことや仕事面で片付けた方がいいかなというのもあったのだけど、懸案を抱えていろいろやるのもどうも気が重くなるので、さっさと見に行くことにしたのだ。まあつまり、このところ「映画を見に行く」という行為がどうも自分の中で変に大きな出来事になっているから、なるべく簡単にクリアしておきたいということもあったわけだ。前回見に行ったのは確か日比谷あたりで見た村上春樹原作の『ノルウェイの森』、その前に見たのは妙典で『自虐の詩』だったか。そういえば確か去年、岩崎ちひろのドキュメンタリーは有楽町で見たな。そしてその前になると一体いつ見たのか思い出せないくらいで、この時間を拘束するアートに対して変に身構えてしまう部分が相変わらずあった。

それは、シネヴィヴァン六本木のような単館上映でこれと思うのをやっているところがなくなったとかもあるのだが、自分の気持ちの中で何か重いものが加わってしまっている。何がそうなのか、ちょっと分析しきれないところもある。

とりあえず、寝る前には見に行くことに決めていた。今朝は6時前に起きてモーニングページを書いてから石垣の草取りを箕に5個分やった。だいぶ体の調子が戻ってきたというか、毎朝習慣的に身体を動かす作業をするようになって、普通に汗がかけるようになってきた感じがある。

朝食を食べてから出かける準備をし、車に乗ってカーナビをセットしようとしたが、目的地が出て来ず、住所で設定する。出発は早めに出るつもりだったが、結局予定通りになった。出かけるときには雨が降り始めていた。国道は出勤ラッシュのピークは過ぎてもまだこんでいて、高浜から湖畔に入り、諏訪湖が少し見えた。そのまま岡谷までまっすぐ行き、駅の手前で曲がってわりあいスムーズに映画館の駐車場に入ることが出来た。駐車数もそう多くないから、恐らくそんなに混んではいないだろう。

しかしなかなか映画館の入口が分からず、ちょっと戸惑った。シネマコンプレックスなのでどこへ行けばどのスクリーンが見られるんだろうとか思っていたが、ちょうどおばあさんが入ろうとしているのが見えて、そこから入るとチケット売り場があった。『風立ちぬ』は3番だった。

会場に入ると、目論見通りすいている。200席だったと思うが、そのうち客数は40人くらいというところか。夏休みでもない平日の朝から映画を見に来られる人だからそんなに多いはずがないわけで、だいたい私くらいかそれより上くらいの人が多いように思われた。

勝手がわからなかったのでとりあえずまず席を取り、やはり飲み物が欲しいと思ってチケット売り場まで戻って、あたたかい紅茶を買った。しかしこれはティーバッグを入れっぱなしにする式でどんどん濃くなってしまうので困った。予告編もあるしゆっくり戻ったが、席に戻った時には予告編は始まっていた。清州会議だのガッチャマンだのの予告編を見た。

最後の予告編が本来『風立ちぬ』と同時上映だったはずの高畑勲監督『かぐや姫の物語』。これは面白そうだと思った。そして、『風立ちぬ』がはじまった。

まだ公開が始まったばかりの映画の感想をどれくらい書けばいいのか、わからない。でもこれから見る人の参考になるように、書けることは書いてみよう。これは、苦い映画だ。そして、いい映画だ。なぜならば、生きるということは苦いことだからだ。そして、その苦さを、宮崎駿という人はよく知っている。ジブリのアニメ映画ばかりを見ている人には、宮崎駿という人物が抱えている苦さというものは、あまり伝わっていない人もいるかもしれない。しかし、私は数年前にはじめて宮崎作品を見てから数週間でナウシカ以後の彼の全作品を見、彼の発言やインタビューもかなりたくさん読んで、この人は本当はすごく苦い人生観、日本観、自然観、生命観を持ちつつ、その中で懸命に、子どもたちにメッセージを伝え続けて来たということを強く感じていたから、たぶんおそらく、その苦さというものを最もストレートに表現すれば、きっとこういう映画になるのだろうと思っていた。


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