実際、現代の世の中の推移の中で、一番犠牲になってるのは精神とか文化とか教養とかそういう種類のものであると思うし、それは本来人間が生きる上でそんなないがしろにされていいはずのものではないことだけは私にも理解できるのだから、そういうものを少しでも世の流れの中に戻していくことが、とりあえずは私の取り組むべきことなのかもしれないなと思う。
おそらくは、靖国問題とか従軍慰安婦問題とか普通は政治マターでしか語られないことの中にも、そういう精神性とか文化とか教養とかの本質で語るべきことがあるはずだと思ってそういうことをいかに露わにしていくかが自分にとっての問題なんだろうなと思う。
その中から描くべきフィクションも生まれてくるのだろう。
<画像> | スティーブ・ジョブズ(1) (KCデラックス) |
ヤマザキマリ | |
講談社 |
もう一冊買ったのがヤマザキマリ『スティーブ・ジョブス』第1巻(講談社、2013)。これはアイザックソンのジョブズの伝記を漫画化したもので、とても面白かった。作者のヤマザキがあとがきでジョブズには絶対惚れない、と断言してるのが可笑しかったが、描写は例によって飄々としたヤマザキの筆致で描かれていて、まあコミカライズとしてはうまくいっていると思う。第1巻はインドで放浪し始めたあたりまで進んでいる。