この鐘の音は、調査兵団が壁外調査に出かけるときの城壁都市の外扉が開くときの鐘の音に似ている。この描写は瘠せた山の上に砦を構える泥棒男爵の城塞の描写なのだが、この切迫した雰囲気は本当に進撃の巨人まんまだなあと思った。
この本は1888年にアメリカの作家ハワード=バイルによって書かれ1967年に訳され学研から出版されたものを、長崎の「童話館出版」が今年復刊したというものだ。そういう経緯なのでヨーロッパ中世をただ「暗黒の中世」と呼んでたりするのがアナクロな感じはするのだけど、生き生きとした描写は決して飽きさせるものがないと思った。まだ34/206ページだが、小学校上級向きという指定もあり、読み始めたら一気に読んでしまうものと思う。
どんな本、どんな物語が心に、魂に響くかというのは多分その時によって違うのだろうけど、1冊の本がそうだからと言って同じ作者のほかの作品もそうであるとは限らない。でもナルニア国では、そういう本に出会う確率が高いなと思う。私はローティーンからハイティーン向けのものが、どうも水に合う部分があるようだ。
いろいろ書きたいものはあるが、そういうものと並行して、物語も書いていくいようにしよう、と思った。物語でないと描けないものがあるのは、やはり間違いないのだ。