<画像> | 未明の闘争 (文芸第一ピース) |
保坂和志 | |
講談社 |
『未明の闘争』は圧倒的な描写の海。でもそれが面白く読める。フィクション性は高いのにリアリティがあって、なんだか妙に作り物めいているので事実がそのまま描写されているだけであっても可笑しくないのにドラマっぽい。そこに妙に引っかかりを感じさせ、それが作者の意図なんだろうとも思う。作者は何かを突き抜けたのかもしれない、という予感。どこかで読んだ批評が当たっているのかもな、と思わせる。
<画像> | 木造迷宮10 (リュウコミックス) |
アサミ・マート | |
徳間書店 |
『木造迷宮』は女中さんの話だが、まあほのぼのしていて私は好きだ。ほのぼのと割り切ってしまえば割といい、という路線というのはあるんだな、と思って読んでいる。これは田舎の書店で見て買ってみたのがまだ3巻くらいまでのころ。月刊連載なのにもう10巻になる。早いものだ。一時、コミックリュウは休刊していたからその間は連載が途絶えているのだけど。
カフェで思った以上にまったりしてしまい、少し慌てて東西線に乗る。南砂町で降りてトピレックプラザへ。補修用の防水テープを探していたら、卓上用のセロテープカッターを見つけてそれも買った。どうもあれがないと落ち着かないところがある。そういうものも自分のコスモロジーの一部なんだろうな、と思う。
イオンに戻って昼食の買い物。牡蠣ごはんと茶碗蒸しと合鴨のローストサラダとフルーツの盛り合わせ。と書けば高そうだが4点で785円。助かるけどそれでいいのかという気もする。
去年からずっと工事をしていた江東図書館の前を通ったらリニューアルオープンしていたので覗いてみた。貸出カウンターが全部自動貸し出し機に変わっていたり、ヤングアダルトコーナー(ガラガラだった)ができていたりいろいろ変化があったが、パソコンを使うために電源が用意された机が増えていて、いろいろな意味で使いやすくなったのではないかという感じがする。だいぶ税金は払っているのでなるべく使い倒してやろうと思った。
家に戻ってきて食事をしながら思ったのは、最近歩いていなかった地元のコースを歩いてみて、自分のコスモロジーの中で弱くなりかけていた部分が補修できたという感じがしたこと。自分の宇宙というものはやはりあって、その中で地元のあちこちというのは大事なパーツなんだなと思う。なんだかんだ言って、もう30年住んでいるのだし、いろいろな変化も感じてきている。自分のコスモロジーを補修し、拡大していくこと。自分のいる空間というか時空、つまりは宇宙をいろいろな意味でしっかりしたものにしていくこと。物理的にもイメージ的にも内的空間的にも。
『心とは何か』を読むことは自分の生命論を確かめる試みでもあるのだけど、そこにある方法論を理解していくことは自分の宇宙論を確かめ、広げていく試みでもあるのだと思う。宇宙と生命の再生。まだまだ道は始まったばかり。