ただ、こういう文化の中で自分がどの位置にいるか、などということはほとんど考えたことがなく、「自分が好きだと感じるものが好きだ」というスタンスで来たので、基本は文化的雑食主義であり、本に関しても乱読主義だったから、そういう意味での系統性には欠けている。というか学問的にも歴史学を専攻してはいるが、その動機は「歴史なら全てのものに触れられる」というものなので、もともと「なんでもあり」の精神が強かったわけである。
しかしなんとなくいわゆるおたくカルチャー的なものには抵抗はあって、自分がジブリ映画を初めて見たのは2008年になってからだし、その辺りで友人に視野の狭さについて指摘されて、より幅広く読んだり見たり聴いたりしようと志した感じである。それは一つにはマンガでも「80年代ニューウェーブ」的な方向性の作品が先細りしてきて、白洲正子的なハイカルチャー方面に関心が伸びていたのだけど、そちらにも行ききれない、やはりある種の批判される意味でのサブカルチャー的な姿勢が自分にもあってそこで行き詰まりが生じていたのだろうなと今では思う。
だから姿勢を転換してもう15年以上にはなるのだが、この辺りで自分のそういう文化的スタンスについてももう一度考えてみるのも良いかなという気はした。その時に、全体の見取り図があるのは考える上で手助けになるので、この文章はありがたかったなと思う。
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もう一つは冷戦期についての文章、これは元々は「冷戦」上下という大作に対する批評なのだが、これもとても自分に刺激になった。まだこの本は読んでいないので塩川さんの書評を通してしかこの本を見ていないから正当に判断できない部分が多いのはお断りしておかないといけないのだが。
https://twitter.com/NobuakiShiokawa/status/1767176395825013129
http://www7b.biglobe.ne.jp/~shiokawa/notes2013-/AonoToshihiko.pdf
本来今日はこちらについて書くつもりだったのだが、おたくサブカルの話がちょっと深掘りし過ぎてしまったので時間的にどれだけ書けるかはわからない。ただこちらも自分の現在にとってとても大事なので、書きたいかけてみたのだが時間がかかりそうなので更新はまた改めてにしたいと思う。
またこのサブカル・オタク・自分の文化史みたいなあたりももう少し考えてより自分にとって納得のできるストーリーにしてみたいと思う。