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西野武彦『「相場に勝つ」株の格言』

「相場に勝つ」株の格言

日本経済新聞社

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昨日は午前中は友人と電話で話し、夕刻に出かける。東京駅で帰省の切符を取り、丸の内丸善で本を物色。いろいろ考えたが、西野武彦『「相場に勝つ」株の格言』(日経ビジネス人文庫、2005)というのを買う。相場というものに興味があるということもあるが、社会の動きというのも相場のようなものだなと最近思っていて、ちょっとそういう方向から社会を見てみたいという気もしている。10年位前から社会というものをあまり好きでなくなっているのは事実で、だからといって背を向けていては自分の身を立てることも十全には出来ないし、そういうマイナス思考というかそういうものが自分自身の思考や行動を負の方向に引っ張っているなということは気付いていた。少し関心の持ち方を変えてみると、家の中の不具合や手入れの行き届いていない洋服などをもう少しどうにかしようという気持ちにもなる。人によっていろいろな自分の保ち方というのはあるだろうけど、私の場合は身の回りをはじめとして世界のそれぞれの個別的なあり方に関心を向けることが必要だと丸善を歩きながら考えた。(11.8.)

『株の格言』まだあまり読んでいないが、面白いと思ったもの。「お金を愛するだけではお金持ちになれない。お金があなたを愛さなければならない。」ユダヤの格言だそうだ。お金に愛されるためには、お金を大事にすること、つまり上手に貯め、上手に増やし、上手に使わなければならないという。最近思うが、お金だけでなく物も、例えば洋服なども上手に来て上手に手入れをし上手にしまっておくとご機嫌が良く、洋服に愛されている感じがする。何物も人間と同じで、手間を惜しまないことが大事なのだなと思う。

「ブルは時々儲ける。ベアも時々儲ける。だがホッグだけは儲からない。」ブルは強気の牛、ベアは弱気の熊、ホッグは欲深な豚。相場では強気は強気なりに、弱気は弱気なりに儲けることができるが、欲を出すことによって損をする、のだという。これも万事に通じるものがありそうだ。(11.9.)

電車の中では居眠りをしながら『「相場に勝つ」株の格言』を読んでいたが、実際いろいろな面白い格言が多いなと思う。株式投資は商人の心で行うべし、という話が一番印象的だろうか。つまり、株というものは安いときに買って高いときに売れば儲かるわけだが、ある意味それは商売と同じである。つまり、株が暴落したときに安値で買占め、株が暴騰したときに高い値段で売ることばかりを考えていたらだめだ、ということで、適切な値段で購入してそれに正当な利潤を上乗せするくらいの感じで売るのがよい、ということである。どうしてもこういうものはマネーゲームになってしまうが、自分だけよければよい、というスタンスでは長続きしない、ということだろうと思う。やはりこういう鉄火場的世界でなければ出て来ないさまざまな含蓄がこういう格言にはたくさん含まれていて、面白いなと思う。読了。(2005.11.30.)

  

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