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和田哲哉『文房具を楽しく使う・筆記具編』

文房具を楽しく使う (筆記具篇)

早川書房

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八重洲ブックセンターに行き、気になっていたけど買わなかった和田哲哉『文房具を楽しく使う 筆記具編』(早川書房、2005)を購入。これは『ノート・手帳編』がとてもよく、私も触発されてロディアやクォ・バディス、モールスキンを使い始めた。自分の行動形態やものの選び方を変化させるものというのはこの年になるとなかなかないのだけど、この著者の文房具に賭ける情熱というか愛情とでも言うべきものの強さには動かされるものがある。共感するとか感動するという以前にこちらが動かされてしまう感じがする。『筆記具編』はまだ読んでいないが楽しみだ。(12.6.)

和田哲哉『文房具を楽しく使う 筆記具編』読みかけ。油性ボールペンと水性ボールペン、その中間という意味でのゲルを使用した中性ボールペンの説明など興味深い。細かい色の粒子を使うことで色を出すという仕組みが中性ボールペンの多様な発色を可能にしたという話はへえぇと思った。普段散々世話になっておきながらあまり知らない文房具の話が、和田氏の筆致に乗ると非常に興味深く読める。またシャープペンシルが日本で発明され日本で発展を遂げた筆記具であるという話も興味深かった。(12.9.)

読みかけの『文房具を楽しく使う』は万年筆のところを読んでいたのだが、メーカーごとの考察があるかと思ったらそういうのはなくちょっと拍子抜け。私は以前も書いたが昔はモンブランを使っていて今はウォーターマンを使っている。パーカーは使ったことがない。今のウォーターマンは割と気に入っている。(12.28.)

和田哲哉『文房具を楽しく使う・筆記具編』読了。「趣味としての文房具」というテーゼは私はあまり意識していなかったが、しかしこういうものから身の回りのものに意識と価値観を持つことはいいことだなと思う。頭の中に妄想が渦巻いているよりも、身の回りのもの一つ一つの存在の生命というか輝きというかそういうものを感じ取る力のほうが人間にとって大切なのではないか、と思う。自分の体調を感じ取り、自分の中の気のめぐりを感じ取る力の延長上に、自分の周りの気の健やかな動きを感じ取る力はあるのだなと思う。自分の力を大きくするためには、自分の中を整え自分の周りにもまた自分の気を十分に行きわたらせて、自分の気の範囲をだんだんに大きくしていくことが必要なんだなと思う。

庭仕事を楽しんだり、文房具を楽しく使ったりすることは、そういう自分の世界を広げていくことなのだと思う。世界を広げるというと観念的な印象があるが、もっと物理的に自分のテリトリーを広げる側面から見たい。自分の家の中を、十分に自分の意識が行きわたっていれば、相乗効果で自分自身の命も大きくなる。それが世界中に行きわたればパラダイスだが、少しでもそういう範囲を広げていくことは大切なことだなと思う。(2005.12.30.)

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