「ふつうの軽音部」鳩野ちひろのオリジンとライジング(10)水尾に認められたこと/株価乱高下/USスチール買収に動き/民間運用のドクターヘリという驚き
Posted at 25/04/08
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4月8日(火)晴れ
今朝の最低気温は0.6度、最高気温は19度の予想。この春一番暖かくなるということか。昨日はなんとなくはっきりしない天気で概ね家の中で燻っていたが、日が暮れてから書店に行ったりスーパーで買い物をしたり。こうの史代「空色心経」という本が出ていることを知ったので買おうと思ったのだが、売り切れだった。Amazonで注文したが、やはりできるだけ書店で買いたいとは思っている。アソシエイトで受け取ったギフトカードがあったのでそれで買えたのでまあ良かったのだけど。
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株式市場が大荒れで、昨日は一度「関税90日間停止」のニュースが流れて爆上げしたのだがホワイトハウスがフェイクニュースだと声明を出すと一転して急落、みたいな展開をしていたようだ。こんな相場はなかなかないが、儲けてる人は儲けてるんだろうなあとは思う。私は必要があって投資信託は暴落前にかなり解約したのだが、残してある分が軒並みマイナス(ほぼ新NISAになった時、つまり2024年年頭に買い直した時と比較して)になってるのは笑った。いや笑いごとではないのだが。
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経済関連でいうと、日本製鐵のUSスチール買収の件を、トランプが再審査するように支持したとのこと。
https://digital.asahi.com/articles/AST4752X2T47DIFI00NM.html
もはや経済の大変動の前には霞むニュースにはなっているものの、日鐵もアメリカで利益を上げられ、アメリカ政府も優良企業を得られるのだから悪くないと思う。大嵐の中で先が見えないがビジネスは休めないので大変だなとは思うのだが。
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https://digital.asahi.com/articles/AST473T14T47TIPE016M.html
玄界灘におけるドクターヘリの墜落事故、記事をよく読んで驚いた。このヘリは行政が運用しているものではなく、民間の病院が運行業者に委託して運用していたものだという。費用は持ち出しになるが、離島の医療を民間の篤志で支えてきていたというのはかなり驚いた。そしてそういう例はここだけではないのだそうだ。
壱岐や対馬は長崎県だが直線距離は福岡県の方がずっと近い。そして運用会社は佐賀県だとのこと。こうした事実は広域的な医療体制が県だけでは無理で、国が関与しなければできないということを意味しているのだろうし、あるいは離島のドクターヘリ運用を円滑にするために複数の県で広域運用システムみたいなものを作って行政が担う必要があるのだろうと思う。壱岐対馬に関しては長崎県だけでなく、佐賀県・福岡県・山口県等の協力が必要だろう。離島と本土のミスマッチが一番酷いのは壱岐対馬だと思うが、他にも所属する県よりより近くより便利な都市がある離島はあるのではないだろうか。
国土と人を守るのは国の役割なので、こうしたシステムはしっかり作ってもらいたいと思う。それにしても、民間の篤志にこうしたことが支えられてきたということが、良い意味でも悪い意味でも驚きだなと思った。
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「ふつうの軽音部」鳩野ちひろのオリジンとライジング(10)。いろいろ忙しくてずいぶん中断したけれども続き。
「はーとぶれいく」結成と並行して3巻で進んでいるのがバイト先の同僚になった水尾春一との関係なのだが、彼は鳩野ちひろと中学の同級生なのだけど、中学時代は接点はなかった。後で明らかにされるのが共通の知り合いであった巽玲羽(レイハ)なのだが、レイハが次に出てくるのは文化祭で鳩野たちも水尾たちも演奏が終わった後の後夜祭の前で、淡々とバイトでの関係のみが続くことになる。
しかし水尾はバレー部をやめて軽音部に入り、鷹見たちのprotocol.でギターを弾くようになることから、鳩野と学校でも関わりが出てくるわけである。また、夏休み中の鳩野の弾き語り修行で固定ファンになったうちのおばあさんの方が水尾の祖母であることが判明し、弾き語りをしていたことが水尾に知られる。
そういう経緯もあって鳩野が彩目に弾き語りを聞かせて自分たちのバンドに勧誘しようとしていた時、バイトが入っていて進退極まった時に水尾に声をかけられ、「いつか弾き語りを聞かせる」ことを条件にバイトを代わってもらえたことで救世主的存在になった。
そして彩目の加入に成功した後、バイトが終わった後に水尾に弾き語りを聞かせることになる。
水尾はイケメンなのだが、もともと職人気質で、人付き合いが苦手な一方、一つのことに打ち込んでいるのが好きという性格だったが、それが原因でバレー部やパリピな級友たちと合わないものを感じていた。バレー部で衝突して軽音部に入ったのも「緩い感じでやる」ためだったのだが、結局ガチな鷹見のバンドに入ることが一つの転機になる。
水尾にとって鳩野の情報は、中学で同級生で割と暗めな子であったということ、一緒にバイトをしてみたら要領は悪いけれども一生懸命でそんなに暗い子でもないこと、鷹見から鳩野の失敗ライブの動画を見せられたこと、祖母から毎日弾き語りをしていることを聞いていること、そして本人に「誰にも言われずに自分から努力をしている」ことを確かめたこと、くらいの情報で、「弾き語りを聞きたい」と思ったのはそれらの情報を繋ぎ合わせることだったわけだけど、実際に28話で聞いた鳩野の弾き語りは鷹見に見せられた動画とは全然違っていて、「本当に夏休み中ずっと練習していたんだ」という確信と感銘を受けるわけである。
そして、自分が「ゆるくやろうと思って軽音に入った」ことを思い直し、祖母に言われたように「ちひろちゃんと同じようにど真剣に」やらなければ、と思ったわけである。28話のサブタイが「仲間と出会う」であったのは、水尾が鳩野ちひろという仲間を発見した、という意味になるわけである。
極めて無愛想な水尾は聞かせてくれた礼はいうものの「まだまだ下手やから帰って練習するわ」とだけ言い残して去り、鳩野は「なんか感想言ってけよ!」と思うわけだが、水尾としては最大限の賛辞だったわけである。この辺のズレがギャグになるのは作者さんのうまさだなと思う。
水尾はここで鳩野に非常に高い評価を下したことがわかるのは、鷹見との電話で「1年で1番になるのは簡単じゃないかもな」というセリフであって、無愛想だからこそその極めて高い評価が印象的になるわけである。これは文化祭ライブの後、水尾に「めっちゃかっこよかったわライブ」と「どストレートに褒められて」顔真っ赤にしてため息ついてる鳩野をみて恋愛アレルギーの桃が「もしかして水尾と恋愛的にいい感じだったりする・・・?」と疑うくらいの反応で、まあ褒められ慣れてない鳩野がそんな反応をするくらいには称賛したわけであり、このセリフも水尾の本心であることが読者にもはっきりしているのでなかなか面白いキャラだなと思う。作者さんたちには描きにくいキャラであるようだが、人気投票でもはーとぶれいくの4人に次いでの順位であり、成功していると言えるのではないか。
鳩野と水尾の関係がこれからどうなっていくかはまだ含みが多いわけだけど、この弾き語りで「水尾に認められた」ことは水尾の存在を通して物語の展開にも大きな影響を与えていくわけで、まだ小さいけれども鳩野ちひろのライジングの始まりではあると思ったのだった。
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