「ふつうの軽音部」鳩野ちひろのオリジンとライジング(12):はーとぶれいくのファーストステージ/床屋談義で世の中の動きに思いを馳せる/女性マンガ家のボッティチェルリ症候群

Posted at 25/04/19

4月19日(土)晴れ

昨日はポカっと空いた時間ができたので散髪に行った。この前行ったのは多分年末なので流石にかなり伸びていたのだが、床屋さんでちょっと話をしたのだけど、この時期は割と混雑が落ち着く時期なのだという。つまり、3月や4月の初めは卒業式や入学式、異動や転居などがあってその際に髪を整える人が多いということらしい。あと、夏場は割と伸びると気になる人が多いから床屋に行くサイクルが短くなり、冬になると少し長いのも気にならなくなるから間隔が飽きやすいのだという。曜日的には当地の床屋は月曜休みなので次の日の火曜は割とお客さんが来て、あとは土日、それにその前の金曜日に、という人が多いから、水木は基本的に空いていることが多いという話だった。

こういうことも言われてみるとなるほどそうかと思うのだけど、昨日もたまたま時間があいたから行けた、みたいな次元になるとどの日があまり待たなくていいのかはわからない。家から歩いて行ける距離のところなので9時40分ごろ行ったら30分待ちますというので出直します、と言ったら10時半に来てくださいということで10時半に行ったらちょうど前の人が終わるところだった。

スッキリした後は銀行に出かけて記帳などし、資金計画などいろいろ考えていたらお昼になったのでお昼を食べてから書店に出かけて「パリピ孔明」の21巻を買ったが、「チャンピオンRED」がなかったので時間もないしいいやと思って帰ってからKindleでDLした。書店の横にあるATMでお金をおろし、車を走らせてスーパーの横にある郵便局に行ったらATMが混んでいたので窓口で預入をしてもらった。

その後職場に出て仕事の話があったのでその準備をし、終わった後だったか電話がかかってきて不動産関係の依頼など。いろいろ考えたりやったりすることが多い、というか一つの件が終わったかと思ったらすぐ次の件がやってくる。まあ忙しいのは悪いことではない、という次元で済めばいいのだけど。

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「ふつうの軽音部」鳩野ちひろのオリジンとライジング(12)。ついに最初のステージ、文化祭。軽音部1年生で一番うまいバンド・鷹見のプロトコルと前日に貸しスタジオで鉢合わせするが、鷹見と折り合いの悪い彩目(振られた)鳩野(ムカつく)は鷹見の挑発を受けて闘志を燃やすのが面白い。当日は直前の出番がプロトコルになり、視聴覚室は満員になったのだが、演奏が終わると閑散とし、「ちらほら増えてきた」という人数の中での「はーとぶれいく」の初ステージということになる。少ない人数とはいえ鳩野の親友の矢賀や、鳩野がよく話するり、彩目が加わるのに重要な役割を果たした大道、それにプロトコルのメンバーらが観衆にいる中、「ジターバグ」の演奏がスタートする。(36話「ステージに立つ」)

鳩野のボーカルとはーとぶれいくの演奏の迫力ある描写は、それに目を丸くする大道と鷹見の描写に説得力を持たせ、「すごい」と思う軽音部員らもいる中で「下手」「変な声」と感じる観客もいて、まだまだ「誰にでもいいと感じさせるわけではない」荒削りのバンドのファーストステージの雰囲気がよく伝わってくる。この37話は素晴らしいシーンが多くてまさに神回なのだが、そのうちの一つが8ページ目、ジターバグの歌詞とともに描かれる厘・桃・彩目の高潮した表情で、見開き9ページ目の鳩野の笑顔の全ページアップにつながる。

そして5ページにわたる厘・桃・彩目の独白。それぞれにその思いが描かれるのだが、ラストの彩目の「みんなにはウケへんやろ」と思いながら、「ナメてる奴らにはかましたらなあかんやろ!なあ鳩野!」というコマが最高である。

そして観衆の表情、るりと大道の「いやなんか」「すっごい」というやりとりの後、鳩野の独白に続いて見開きの四人の演奏シーン、これは私の持っているキーホルダーにも採用されている名シーンである。

https://x.com/honnokinomori/status/1913389358498930742

鷹見は予想外の迫力に息を呑むが、隣の水尾が平然と聞いているのを見て、水尾が言っていた「1年生で1番になるのは簡単じゃないかもな」というのはこのことだったのかと悟り、「面白い!」と悪役顔の笑みをする。鷹見が鳩野と「はーとぶれいく」を認めた瞬間であり、そこにサブタイトルの「37話 そのバンドを知る」が重なるという神演出だった。

まさにまだまだこれから、という「はーとぶれいくのファーストステージ」、その意味ではオリジンでもあり、またここまできて初めて関係者にその実力が認められた「ライジング」のステージでもあり、とりわけ鷹見に認められたことはこの先の展開にも大きく関わってくる。ストーリー上のエポックでもあったわけである。

文化祭はこれにとどまらずさまざまな伏線の敷設や回収が行われているし、また見せ場も多い。本当に話の作り方が上手いし、それに最適の絵が描かれているなと改めて思う。改めて見直してみると、4巻は全巻文化祭の準備から本番である。それが高校生レベルのあるあるで展開されていくのはある種の神業のようには思った。

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https://x.com/syatekiya931/status/1913221373989884309

これは女性マンガ家あるあるで、例えていうならボッティチェルリがサヴォナローラに被れて過去の作品をすべて焼いてしまったような感じなのだよね。思想が芸術を殺す。ボッティチェルリ症候群とでも名付けるといいかと思うが、いずれにしても痛ましい話である。

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by Luke Peterson

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