春分/「ふつうの軽音部」:鳩野のボーカルと厘の策略と桃の思い(2)/プーチンの「いただき女子ムーブ」に翻弄されるトランプ/トルコで反エルドアン派政治家拘束

Posted at 25/03/20

3月20日(木・祝)晴れ

今日は春分の日、お彼岸の中日。昨日の日差しで雪はだいぶ溶けたけれども、今朝は冷え込んでいる。今のところの最低気温がマイナス3.6度。日中の最高気温も8度の予想だし、春というには寒い。一時雪の予報も出ている。

昨日は午前中は仕事の決算関係のことをやっていて、買い物に行ったり銀行に行ったりも。午後は会計事務所に書類の山を届けたり、母に電話したり。夜はお通夜に行ったりいろいろ。なんだかバタバタしている。今日はいろいろある。まあ手を抜けないことが多いなと。

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「ふつうの軽音部」鳩野ちひろのオリジンとライジング。続き。

6月のライブの前夜に誰もいない視聴覚室のステージで熱唱していたのを幸山厘に聞かれる、というのがいわば「転機0」だった、というのは書いたが、それでもすぐに事態が動き出すわけではない。直接のきっかけは桃のスリーピースガールズバンド、Sound Sleepのベースの乃木舞伽が付き合っていた鷹見と別れたことからバンドも軽音部もやめると言い出し、その時の行き違いで桃と喧嘩状態になったことにはじまる。

桃があまりに落ち込んでいるので心配になった鳩野は矢賀と一緒に遊びに誘い、話を聞くのだが、桃は自分が「人に対して恋愛的に好きという感情を持てない」というコンプレックスを持っていることを告白し、舞伽ともそこで対立したという。そんな風に自分をさらけ出したからか、桃と鳩野の仲も近づき、「いつか一緒にバンドをやろう」と桃に言われる。

幸山厘は実はこういう機会を狙っていて、桃にSound Sleepのドラムの大道優希が軽音部の2年の先輩と付き合ってることを知らせ、桃は余計意固地な気持ちになり、優希とも喧嘩してしまう。

一方厘はしつこくLINEを送ってくるヨンスに辟易していたのだが、「機は熟した」とみてヨンスに強い拒絶の返信を送るとヨンスはショックを受けてバンドを辞めると言い出し、慌てるカッキーに「吉田さんのバンドに誘われてるんでしょ。自分たちは自分たちでやるからそちらにいくといいと思う」と言ってラ・チッタ・デッラを解散してしまう。鳩野にとっては何もかも寝耳に水の中、厘は「これではとちゃんがボーカルの新しいバンドを組める」と言い出し、桃を呼び出す。

桃は厘の強引なやり方に腹を立てているがカラオケに連れて行かれ、厘は半ば強引に桃に鳩野の歌を聞かせ、桃は感動し、鳩野のボーカルの後ろでドラムを叩いてみたい、と思うようになる。この辺の展開は読んでいてもいちいち感動するのだが、よく考えてみると全てが厘のお膳立てで進んでいるわけで、厘の「善意(鳩野に対する)の策謀キャラ」としての面目躍如なのだが、めちゃくちゃだなと思いながらスルスルと物事が進んでいき、終わってみたら厘の思い通りになっていた、というのが妙に面白く、この辺りで「ふつうの軽音部」が読者に「面白い」とはっきり認知されたのだと思う。

「厘が鳩野の歌を聞く→桃のバンドが空中分解する→ヨンスを振ってラ・チッタ・デッラを解散する→桃を勧誘し、鳩野の歌を聞かせる→桃が鳩野と厘のバンドに加わる」までが一連の流れになるわけだが、タイミングを捉えて「機は熟した」と呟き、日常生活というか部活動の中でこれだけの地殻変動を起こさせるキャラは今まで見たことがないし、幸山厘というキャラが一躍注目されたのもこの動きによってだっただろう。

そして「鳩野の歌」がいかに武器になるか、ということが読者にも提示されるわけで、この辺の展開と読者に聴こえるはずのない「鳩野の歌」を聞かせてしまうというテクニックはすごいなと思った。

ここで鳩野たちのバンドのオリジンが「鳩野ちひろのボーカル」「幸山厘の策略」「たまにセンチな陽キャな内田桃」を軸に展開していくことが示される。ちなみにこの時点での楽器の演奏能力は厘は「安定したベース」であり桃は「緊張したらミスをするドラム」であり鳩野は「まだ下手な初心者のギター」なわけで、まさに「伸び代しかない」状態なのだが、「鳩野のボーカルとその力を信じた厘と桃」が核になることが示されたことが重要なのだ。そしてそれがまさに「ふつうの軽音部」のバンドなのだなと思う。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250319/k10014753961000.html

トランプとプーチンの電話会談。トランプはバイデンへの反発とプーチンとの個人的な関係から、バイデンのウクライナ政策がウクライナ戦争の元凶だと考えていて、アメリカがウクライナへの関与をやめたら自然に問題は解決すると思っていたのではないかという観測を読んで、なるほどそうだったんじゃないかなという気がしてきた。

トランプのプーチンに対する信頼ぶりというのはロシアに歴史的な不信感がある我々からしたら少し不思議なところがあるが、日本の今までの対ロシア外交も「北方領土の返還」というテーマを軸に進められてきたわけで、ビザなし交流とか墓参とか友好ムードはあっても実質的には全然進まず、ウクライナ戦争でのウクライナ支持によって今までのそういうものも全部チャラにされた、という展開になっている。

つまり結局は、ロシア、特にプーチンは決定的に対立したくない時には友好ムードだけは高めるが、自分のものは絶対に手放さないわけで、有効ムードの盛り上げで手に入れるものだけ入れて1円も払わないといういわばいただき女子的なムーブに徹しているわけである。

トランプにしても、本当に重要なのはウクライナのことではなく、国内でバイデンやオバマの勢力を徹底的に叩く、彼らのやってきた政策を徹底的に否定することの方が重要なわけで、ウクライナ問題を「バイデンの悪しき影響力を排除したら自然にうまくいく」くらいに考えていたのだろうと思う。そうではない、ということにいつ気づくかが問題だとは思うのだが、まだ完全にはわかってないのだろうなと思う。

今回の停戦合意交渉に関しても、ロシアは自分が少しでも得をしそうなアメリカ側の譲歩や提案には喜んで乗るが、決定的な譲歩は絶対にしない、というスタンスは変わっていないし、交渉成立への期待を持たせるだけ持たせて時間を稼いで少しでも自分に有利にする、というやり方に関しては北方領土返還交渉と基本的には同じだなと思う。まあ安倍さんもプーチンにはいろいろしてやられているので仕方ない感じもしなくはないが、プーチンを動かすに足る力量のある政治家・国家が今世界にいるかといえば中国ぐらいな感じなのだが、中国も自分が損をしてまで動く気は無いので、なかなか難しいなと思う。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250320/k10014755071000.html

トルコで政変。次期大統領選でのエルドアン大統領の有力対抗馬とされるイスタンブル市長のイマムオール氏が拘束されたという。エルドアン氏の対抗勢力といえば親EU派か郡を中心とする世俗主義の勢力かどちらだろうと思ったのだけど、下の記事を読むと自らを「ケマル・アタテュルクの系譜に属する政治家」と位置付けているので、後者だということになるのだろう。

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20230530_232211.html

西欧派の勢力では「私の名は赤」でノーベル文学賞を受賞したオルハン・パムクが思い浮かぶが、最近はあまりこの勢力が話題に登ってこない。一方で軍部の方はエルドアン大統領に対するクーデタ未遂事件もあったから、警戒感はより強いだろう。エルドアンはウクライナに関しては特にクリミアについてロシアに強硬な発言をしたりしているけれども、内政に対しての不安というのもこういう形で現れているのだなと思う。

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