不況時の就職先としての中国軍と満鉄/ドル決済システムからの排除は中国に有効か/日本企業のルイスの転換点
Posted at 25/03/12
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3月12日(水)薄曇り
今の気温は3.6度。だいぶ春の気温になってきた。これから移動性高気圧が抜けていくから午後には雨の予想。春の周期的な天候の変動が始まっている感じだ。最高気温の予想は14度。だいぶ暖かい。花粉も飛ぶだろうなあ。
昨日は午前中は松本に出かけて整体で体を見てもらう。昨日はかなり余裕を持って出られたのであまり焦らずに車を走らせることができた。いつもそうありたいものである。いろいろ話をしたが、やはり気が上がっているという感じのようだ。考えることが多いのでどうしても頭に気が上がってしまうのだが、このままだと体を壊しそうなので精々意識的に気を落ち着かせていかないといけないと思う。ずっと寒かったから気が上がったまま突っ走っていたようなところもあった気がするが、暖かくなってきたので体も柔らかくしていかないといけないなと思う。
帰りは岡谷の書店によって少し本をみたが、新しいものは買わなかった。まず「世界秩序が変わるとき」を読み切ろうと思う。
「世界秩序が変わるとき」は第5章まで読了、223/255ページ。この本はつまり、「新自由主義とは何だったのか」ということと「時代は新自由主義からどういう方向に変わろうとしているのか」ということがテーマだったと思うのだが、今までにない深い知見が得られた感じがする。
***
「世界秩序が変わるとき」第4章ではアメリカの経済優先主義で新自由主義で恩恵を受けてきた中国に対し、地政学優位の時代に変わってどういう変化が起こっているかということが書かれているわけだけど、中国では経済成長が鈍化して就職できない新卒がかなり増えているという話で、その人数を吸収できるのは軍隊しかなく、その分台湾有事の危険性が高まっている、という話はそういうこともあるだろうなと思った。
不況の時代に新卒を吸収できるのは例えば日本の戦前では満鉄などの植民地企業が多く、文系大卒者がかなり満鉄調査部に吸収されて、中国や満州で情報収集や情報操作に当たったみたいなことを読んだことがあるけれども、そういう意味で満州事変や支那事変への地ならしが行われていった、という面はあったのだろうと思う。またよく知られているように二・二六事件は青年将校たちが昭和恐慌における東北の危機的な有様に義憤を持ち、財閥支配の資本主義体制に異議を唱えたという面もあったから、資本主義に代わり得るものとしての統制的・全体主義的体制への幻想的な憧れみたいなものも高まりつつあったのだろうと思う。
今の中国ではどのくらい大卒者の入隊が増えているのかはよくわからないが、作戦面でも台湾侵攻については相当準備されているだろうから、それを思いとどまらせることがトランプ政権にできるかという問題になっているのだろうと思う。
ただ、ウクライナ戦争が勃発した際、ロシアがドル建ての世界的な金融決済システムから追放されたけれども、この仕組みは本来は中国に対して発動するために作られたものだった、という話は興味深いなと思った。ロシアはエネルギー資源輸出国だから決済システムから外してもダメージは限定的だが、中国は輸入国だからこれから外されたら致命的になるだろうという。つまりは台湾有事が起こったらすぐにこれが発動され、中国を追い込むことになる、という警告ではあるわけだ。
これが役に立つかどうかはわからないが、第二次世界大戦の前のアメリカの対日石油輸出禁止政策などを思い起こすわけで、不利な条件の中でも日本は対米戦争に踏み切ったわけだから、絶対的な抑止にはならないのではないかという気はする。
第5章では日本の復活について論じているのだけど、日本は結局余剰人員を切らずに給料を下げ、デフレの道を歩んできたが、「失われた30年」が過ぎたことで余剰人員はようやくいなくなり、絶対的な人手不足に陥るようになったため、「ルイスの転換点」=産業革命時に農村からの流入人口を安く買い叩いていた産業資本が農村に余剰人口がなくなったために人手不足になり、急速に賃金が上昇し始めたのと同じ現象が起こっている、というのはなるほどと思った。また国内が不況のため企業が海外に投資していたのが急速に国内投資を増やしているとのことで、状況は上向いているという。
逆境でも新しいビジネスモデルを作り出す才能のある人たち、ソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さん、星野リゾートの星野さんなどは確かにいるのだが、やはりそういう人たちは少数派で、経済が順風を孕んでくるとより多くの人がリスクをとって成功する確率が上がるから、さらに好調になるだろうという見立てである。
あとは経済の担い手である現役世代にいかに働きやすい環境を作っていくかということなのだが、そういう意味ではトランプ政権のように日本国内の「ディープステート」にメスを入れていく必要はあるのかもしれないと思う。
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