「世界秩序が変わるとき」読んでいる。社会の未曾有の変化、社会運動の「新自由主義」化:ネットワーク化とマイノリティ重視

Posted at 25/03/07

3月7日(金)晴れ

今朝は久しぶりに晴れて冷え込んでいる。とはいえマイナス2.6度だから、春の寒さという感じ。仕事を手伝ってくれる人が来るまで来る時にぬかるみにはまって出られなくなり、結局別の軽トラで来たといっていたが、春先のいろいろな現象がこちらでも悲喜劇を巻き起こしている。

「世界秩序が変わるとき」あまり読めなかった。52ページくらいまで。人権運動について、1960年台の「大きな政府」の時代には公民権運動のリーダー、マーチン・ルーサー・キング・ジュニアのような強力な中心があったが、「新自由主義」のネットワークの時代になるとBLMのように中心がはっきりしない運動になった、というのはそういうふうに考えるのか、となるほどと思った。つまり運動に「ボス」ができると既得権が生まれる、という発想で、新しい運動家の中にはそういう「運動としての既得権」に反発を感じる人たちが出てくる、というわけである。

なるほどと思ったが、日本のフェミニズムでも上野千寿子さんのようなスーパースターが今のネットフェミニズムにはいないわけで、それぞれが勝手なことを言ってる感じになっている。誰かが司令を出して右向け右、という感じが現在の日本のwoke運動にはないわけではないのだが、それは「誰か」ではなく「空気」なのかもしれないし、いずれにしても「指導者」がいないバラバラなな雰囲気というのは確かにある。

そして重要なことは、「従来型のリベラル」も、クリントンが率先して新自由主義を受け入れていくことで新自由主義を受け入れていった、ということなのだろう。実際のところ、フェミニズムやLGBT、マイノリティの運動などは新自由主義のメリトクラシーと相性がいい。西側はどの国も「労働者よりマイノリティ重視」の方向に動いたが、これはそういう「従来型リベラルの鞍替え」が起こったからなんだなと思った。これは「労働者」という階級的利益よりも女性やLGBTという個人を尊重するということなわけで、それは各国の新自由主義に対する反発が概ね右派の運動として出てきたことの原因でもあるだろうと思う。

それから、言われているように特にアメリカで左右の分断が進んでいるのは、「あまりに急激に変化が進みすぎたから」というのは説得力があるなと思った。30年前にはドイツとフランスで通貨が違い、国境を越えるのにパスポートが必要だったわけで、グローバル化の進展は驚異的だし、デジタル面でも2000年台に初めてのスマートホンiPhoneが出てきてから、20年も経たないうちにアフリカの隅々にまで普及しているというのは人類史上未曾有のことには違いない。これだけ短期間に変化すればついていけない人は当然出てくるわけで、またフェミニズムやLGBTのwokeの仕掛けた価値観の急激な変化なども強い反発を呼ぶようになったのは当然だろうと思う。

それに反発したのがずっと書いているようにトランプ現象であったわけで、確かにこの「変化の急激さ」は重要なファクターだなと思った。私もまだマイナンバーカードを作っていないのだが、やはりこの変化の急激さには反発を感じるところはあるなと思う。

今日は母を病院に連れていく日なので、ここまでで。


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