マンガ感想:NON「POLE STAR」が面白い:貧弱さのリアルと古風さと微エロと意地/ペストとアーベル賞/うたた寝/春とジャケット

Posted at 25/03/27

3月27日(木)晴れ

昨日は午前中母を歯医者に連れて行き、帰りに蔦屋でチャンピオンREDを買って帰ってきて、あとは家でいろいろ仕事をしていたが細かいことは覚えていない。夜は仕事関係でいろいろ電話があったり、成果としては一勝二敗というところか。早く勝ち越したいものだが前途はいろいろ険しいなと。

夜は割合よく寝られた感じがするが、ここのところ結局夕食の後つい横になってしまってうたた寝、というのが続いていて、昨日も気がついたら12時を回っていて2階に行って寝て、起きたら5時だった。うたた寝しないですぐベッドで寝ればもっとちゃんと寝られるのにといつも思うが、寝に行くというのはどうしてあんなに億劫なんだろうか。

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今朝は比較的時間があるので(少なくとも午前中に病院に行ったりする必要がない)いろいろやろうと思ってヤンジャンを買いに行ったり動いていたらブログを書くのが遅くなってしまったのだが、そうこうするうちに隣の家で工事が始まりジェネレーターの音とか聞こえてきてちょっとこれは無理だなとなり、場所を変えて作業場にきて書いている。

なんか急に暖かくなって環境が激変して気持ち悪いのだが、文章を書いているときには集中しているからあまり気にならないのだけど、気がつくと冷えていて嫌だなと思う。暖房をつけていると暑いし、消すと寒い。それでももうコートでなくジャケットで外に出られる時間もあるということに気づいて、春を実感した。

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今朝Dモーニングを読んでいて思ったのだが、「POLE STAR」が好きだし面白いなと思った。作者は「ハレ婚」のNONさん。「ハレ婚」は時々読んでいる程度だったが、「POLE STAR」はモーニング連載の最初からずっと読んでいる。

今朝考えていたのは、この作品は微妙にエロで微妙に保守的で、微妙に古風なところがいいなと思っていたのだけど、今描き始めてから最近のところを読み直していて、もっといろいろその良さを表現できるなと思った。

まず、主人公のややのが中学生なのだが、人がよくすぐ騙されて流れ者みたいな生活になっている母親と二人暮らしで、熱海にやってくる。彼女は小さくて、子供だから無力で、何もできないし、身体も貧弱である。この辺りが本当は「中学生くらいの子どもの真実」だと思うのだが、マンガではそれが理想化されて身体的にもしっかりしたもの、スタイルも良く、出るところが出ていたり引っ込むところが引っ込んでいたり、顔立ちもばっちりな感じの作品が多い。マンガ的なデフォルメというのもあるけれども、やはり中学生モデルみたいな「理想化された身体」が描かれていることが多いと思う。これはロリ形でもオタク系でも少女漫画系でも少年漫画系でも皆そうだ。

しかし現実には子供は貧弱で、筋肉もついてないし、何もできない。ややのは「しっかりした子」なので学力もあり、それなりの意思もあり、子供らしい失敗もし、またその境遇から清掃作業などを厭わない働き者的な性格もあってある意味シンデレラみたいなのだが、それでもその貧弱性や姿勢の悪さなどで「子どものリアル」がある意味意地悪なまでに表現されているなと思う。

この辺のところは、映画監督のフェデリコ・フェリーニの描写に通じるところがあると思った。フェリーニも、登場人物に悪意があるのではないかと思うくらいその人のイケてない部分を強調する。馬鹿だなあと感じさせたり、カッコ悪いなと思わせたり、その人はきっと隠したがっている、見せたくないと思っていると感じさせる部分を敢えて描いて、人間とはこういうものだよなあと思わせるところがある。

最近のマンガ作品は中学時代や高校時代が人生で一番いい時代だ、みたいな描き方のものが多いのだけど、実際には子供は無力だし、甘やかされる環境にあればそれを楽しむ術に長けている子供達もいるけれども、根本的に親が決めた枠からはみ出すことはなかなかできない。

今回の38話でもデッドリフトを教えてくれたテツオにちょっとはに噛む場面があったり、貧相な入浴シーンがあったりもするのだが、そういう微エロ的な要素はこの作者さんは本当に上手いなと思うのだが、なんというかエロの本質というものは足し算(胸が大きかったりスタイルが良かったり顔が良かったり)ではなく引き算の美学である、みたいなあたりが「わかってるな」という感じがあり、やはりこれが「ハレ婚」を経て今これを描いているということなんだろうなと思ったりした。

古風というのはおそらく絵柄の問題もあるのだと思うけれども、いわゆる萌え絵では全然なく、画一性から外れている感じがいい。また人間関係の考え方が古風だったり、何が幸福で何が不幸かという考え方が古風だったりするところがある感じがする。まあ熱海のショーをやるホテルという現代としては昭和的な古風な場所がとても似合う感じということもある。

保守性を感じるというのは、おそらくはなんというか主人公もそうだし周りの大人たちもそうだが、ある種筋が通っている感じがするということ、またちゃんと失恋とかも描いていて、世の中には思い通りにならないことがある、ということを弁えている感じが保守的な感じという印象を受けるのかもしれない。まあそれは「ロックな感じ」とも通じるところがあると思うし、正当な評価を求める、正当な評価を得たいと思って頑張るところは現代的でもあるけれどもそこで何か楽をしようという感じがないところが保守的でもあるのかもしれない。「周りの評価に対する意地」とでも言えばいいか。

「ふつうの軽音部」も本当にこういうのあったよなあとかこういうときにはこういうふうに感じたよなあということを思い出せて共感できるところがいいわけだけど、「POLE STAR」を読んでいると「本当に子どもの頃は無力だったよなあ」ということを思い出す。無力だからこそ、力を貯めて、ちゃんと正当な評価を得られるように、頑張らないといけない。自分はまあそれは勉強だったけれども、ポールダンスという自分がよく知らない分野で頑張っているややのを見るとそういう意味で思い入れできるのだなと思った。私はやはり、基本的に努力する人とか頑張る人、そういうキャラクターが好きなんだなと思う。

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https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name37.html

科学ネタを二つ。イギリスでペストが発生したという記事が出て、それがすぐ誤報だという記事も出た。ペストというと14世紀にヨーロッパで大流行した「黒死病」を思い出すが、現代でも年間2000人ほどの患者が出ているらしい。主にアフリカのマダガスカルからDR今後、タンザニア、ウガンダといった地域のようだが、南米やユーラシアでも発生しているし、アメリカ合衆国でも発生例があるようだ。

感染源は感染したノミを運ぶネズミだというのが定説で、ただそれ以外のヒトノミやシラミなども媒介する可能性は指摘されている。ヨーロッパや日本ではほぼ聞いたことがないから今回ニュースになったのだとは思うが、コロナなどに比べて格段の致死性を持った感染症だから、警戒して悪いことはないだろうと思う。

https://news.yahoo.co.jp/articles/797d8a6b2e0b3036dae8470be4fbfc365f82a934

もう一つは京大の柏原正樹氏が数学の最高峰のアーベル賞を受賞したというニュース。これは比較的新しい賞だが、ノーベル賞並みの約一億円の賞金が出る。どういう研究か詳細は記事を読んでもよくわからないが、論文は日本語で書かれているということで、それが評価されたのはすごいなと思った。


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