地下鉄サリン30年目の衝撃/「アフリカが求めるもの」に応える「中国の進出」/「おかえり水平線」と「チャックびーんず」:海と未来と「ここにしかないどこか」
Posted at 25/03/24
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3月24日(月)曇り
昨日は午前中いろいろ片付けなどし、午後は親戚の葬儀。帰りに喪主といろいろ話をし、今一番気持ちがわかるのは自分なのかもしれないななどと思うなど。帰ってきてなんとなくグタグタしていて(ここのところ忙しくてまともに休めてなかった)SNSで古い友人のコメントなど読んでいたら、なんと彼が地下鉄サリン事件に巻き込まれていたということを初めて知った。30年目の真実だが、なんというかこちらが動揺した感じがして、身体的な影響は残らなかったのだけど精神的な「生き残ってしまった」という罪悪感がかなり尾を引いてしまったということだった。
まあこういうのは一般論で語ってしまえる部分もあるが、自分の友人のことになるとそれをするのもいいやら悪いやら、という感じがあり、少しそういうコメントもしたけど多分そういうことはもう散々考えただろうから余計なことだろうなとは思う。でもなんというのか、なんというのか。
自分もあの時にはある種紙一重のところはあったから、本当に誰でも危険があったのだなと思うけれども、やはりそういうことを聞くとそのことに新たな意味が生まれる。オウム真理教には私の知っている高校時代の同級生も入信してしまったのがいて何があったのか中で死んでしまったようなのだが、その彼は直接よく知っている人でもなかった(毎日見かけはしたが)なので印象が間接的なところがあったけれども、夜通し語り合ったこともあるような友人がそういうことに遭遇していたというのは、なんというか特別のことだ。
全然別の友達が、やはりいろいろ仲の良かった人が911の時にWTCで亡くなったことがすごいショックだと言っていたけれども、そういう感覚も初めて理解できた気がする。昨日はそういうことで生と死について考えさせられた日になった。
昨日は日曜だったから元々あまりいろいろ仕事が進む日ではなかったのだけど、今日は月曜なので私自身は休日だが世の中に対する仕事は結構動く必要がありそうだなと。まあそういうことを整理してから取り掛かろうと思っているのだが、順序がいろいろ難しい。
4時前に起きていろいろして、ジャンププラスの更新で「ルリドラゴン」「ドリブルヌッコあーしちゃん」「セイレーンは君に歌わない」「目の前の神様」「ラーメン赤猫」「滅国の宦官」と読んだ。5時半ごろに出かけてジャンプとスピリッツとヤンマガを買って帰ってきた。
***
忙しくなると国際報道的なニュースはなかなか読めないので、アフリカ関係のを何か読もうと調べていたらアフリカのついて詳しい元外交官の岡村善文さんのインタビューがあった。
https://www.iza.ne.jp/article/20250319-DJEBJSP76ZBH5ELMKS4UERS5VM/
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7e7d57af2b1de4856cd1f7ebff7993b48b128ab
中国のアフリカ進出、というテーマについて話されているのだけど、今アフリカで進んでいるのは最大のものは資源開発。そして道路や空港などのインフラ整備がどんどん進んでいるということなのだが、それが資金面でも人材面でも中国が席巻している状態なのだという。
岡村さんが指摘していることは中国がOECDに加盟していないため細かい「OECDの援助ルール」に縛られずに援助が行えること、またOECDはアフリカ側にもかなり厳しいルールを設定しているが、中国はそれに縛られずに資金を融通できるということで、アフリカ側の方が積極的に中国に頼っている状態なのだという。
そうなってしまっているのはもちろん弊害もあり、現地の産業が育たないから人材も育たない、というのが最大の問題なのだが、一つには中国が不況なので中国で売れないものを爆安で売り捌いたり、中国の中小企業がどんどん浮沈をかけてアフリカに進出したりしているという現状が背景にはあるのだという。
そして彼らの使っているスマホはほとんど中国製だというのだが、なるほどと思ったのが欧米製のスマホだと黒人の顔が綺麗に写らないのだそうだ。ところが中国製だとはっきりと目鼻立ちとかも映るそうで、それだと中国製を使うよなあと思った。岡村さんはそのことについて、「欧米製のメーカーは甘いと思う」と言っていて、確かにちゃんと需要に応えているのが中国製品ならシェアを占めるのも当然だなと思うし、つまりはスマホを独占するということでアフリカのビッグデータは全部中国が取っていってしまっているということになるわけで、これはかなり重要なことではないかと思った。
そして日本人に対する苦言もある。つまり「骨を埋める」覚悟できている中国人に対し、日本人は真剣度が足りないと。これはそうだろうなと思った。中国人は世界中にチャイナタウンを作る国民性だから、故国に帰ることに対するこだわりはそんなに強くないということかもしれない。また、日本でも出羽守の人たちが欧米で日本をdisっているが、絶対に日本国籍は(たとえアメリカなどの永住権を得ても)手放さない、それは老後は日本の高福祉をあてにしているからだ、という指摘があり、これはアフリカに進出している企業などでももちろん同じだろうなと思った。日本が快適すぎるのである。逆に言えばそれゆえにハングリー精神が足りない、ということなのだろう。
それなら日本がアフリカに食い込むことは困難なのか、と言えばそんなこともないと思う。この記事にも出てきているが、中国企業が現地で人材を採用しようとしても例えば溶接工などの分野ですら十分に採用できない現状で、中国に求人に出かけているのだそうだ。
こうした教育や訓練に関する国際援助は基本的に日本は得意分野だと思うし、国のエリートを招いて教育を受けてもらって帰国して日本とのパイプを持った人材を育てるということもあるが、溶接や自動車整備などの基本的な分野で現地での教育に協力することは十分できるのではないかと思った。まあ、現実は日本でもそうした人たちが足りなくなっていることも事実で待遇面での改善などが求められると思うけれども、派手なところに走りがちな欧米や中国とは違う援助をすることも日本の武器にはなり得るのではないかとは思った。
まあそれはそれとしてアフリカでは今大規模な資源開発や道路や港湾、都市インフラの整備が急ピッチで進んでいるということは、まさに「地図に残る仕事」が行われている現場なのだなと思う。アフリカにはアフリカ独自の条件がたくさんあるのだが、アフリカが世界がまた変わっていく大きな震源の一つになることは確実なのだろうと思う。
***
またジャンププラスでいくつか面白い作品を読んだので書いておこうと思う。日曜日の新連載の渡辺大羊「おかえり水平線」。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567264307963664
海辺で銭湯を経営している祖父と二人暮らしの主人公、高校1年の遼馬のもとに、「父の隠し子」であるという少年・玲臣がやってきて、身寄りのない彼と一緒に暮らすことになる、という展開。この思春期の少年がいきなり兄弟になる、という設定がなかなかすごいなと思っていたら、実はこの作者さんは土曜日に掲載された読切の「彫刻乙女」の作者であり、また2022年に掲載された読切の「松本兄弟」の作者でもあるということがわかった。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567264307963177
https://shonenjumpplus.com/episode/316190247042482381
どれも読んでみたが面白いのだけど、特に「松本兄弟」はとても良かった。この「いきなり兄弟になる」という設定がここで原形として使われているのだけど、「松本兄弟」の方は相手の素性もはっきりしているのだけど「おかえり水平線」の方が、まだ今のところどこからどこまでが本当のことかわからない、ある種のミステリーの要素もあって、松本兄弟がコンパクトでそのこともあって爆発力があり、面白かったこともあってどんな感じになるのかなあ、ということは少し思うのだが、コメント欄を見て私も同意だなと思ったのは、「アフタヌーンに載ってそうな作品」だということだった。それがジャンプラの水にどう合うのか、少しその辺が不安でもあるのだが、こういうのが上位で定着するとジャンプラの幅もまた広がると思うし、楽しみにしたいと思う。
もう一つ。「ふつうの軽音部」の原作・クワハリさんのお勧めする「チャックびーんず」。3月に始まって23日の更新が第4話なのだが、まだ全て無料で読める。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567263769429251
簡単に言えば、「未来から来た豆型ロボット」が「パッとしない主人公」に夢の機械を次々披露する、というつまり「ドラえもん」なのだが、この主人公はパッとしないくせに実直でファンタジーに頼らない人生観を持っていて、ロボットの協力をことごとく拒否し、家に入れてさえくれないという展開になっているのが現代的だなと思う。
「チャックびーんず」が使わせようとする「便利な機械」を使わずに主人公が独力で問題を解決していくという展開は面白いのだが、しかし「未来」という一点において主人公も気になることがあるわけで、そこらへんのところを切り口にどうこの話が展開していくのかは楽しみだなと思う。
「銭湯から見える海」と「本物の海」、「夢の未来」と「今・ここ」。大きな世界の広がりがあっても人は今「ここにしかないどこか」で生きるしかない、ということを思ったり。
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