「ポリコレ恐怖政治」は終わりを告げるのか:トランプ大革命は今日も進行中
Posted at 25/02/11
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2月11日(火・建国記念の日)晴れ
今朝は今の所の最低気温がマイナス4.4度。最近では標準くらいの気温か。
このところのアメリカはトランプ再登板以来、矢継ぎ早の改革指令が出て、woke的な研究に政府資金を拠出しないことやUSAIDの解体など、今までのポリコレの圧政に対して解放の鐘の音が鳴っている感じがする。実際、スーパーボールの広告にもビキニの美女が登場するなど、ここ数年の「政治的正しさ」の息苦しさに潰されそうになっていた人々が待ってましたと反応している感じがある。
このポリコレ・DEIの恐怖政治からの解放は、ジュール・ミシュレの「フランス革命史」の最終章、1794年7月27日のいわゆる「テルミドール9日のクーデタ」でロベスピエール・サンジュストらが処刑された後のパリの記述を思い起こさせる。
劇場の前には馬車が並び、御者たちが客に「ムッシュゥ」と呼びかけている。聞き慣れない言葉に少年は「シトワイヤン(市民)」じゃないの?と父親に問うと、もうそれは終わったことなんだ、というような返答を父親はする、というラストだったと記憶している。
ポリコレやDEI、wokeの常軌を逸した文化支配は、まさにトランプとマスクによるクーデタで突如終焉し、リベラル派の牙城は次々に落城し、なかんずく最大の要因と目されたUSAIDが解体されその内情が公開されるに及んで多くの批判が巻き起こっている。
今のところこうした情報は虚実入り乱れている感があり、何がどこまで本当なのかはわからないが、「流れが変わった」ことは確かだろう。
手のひら返しが早すぎる、という評があるけれども、より迅速に手のひらを返すことが政治的にもより重要な状況になっていて、だからこそ様々な混乱や悲喜劇が起こっているのだろうと思う。
アメリカでも60年代の公民権運動の高揚や反戦運動の真剣さは今のリベラルの源流になっていると思うけれども、確かにそこには「人間は分かり合えるか」というテーマがあり、ノンポリの人たちの間でもより共感的に生きるべきだろいうなんとなくの観念、いわば「薄甘いリベラル感情」みたいなものが広がっていったということはあると思う。
これは日本でも学生による政府批判の動きから始まった60年代学生運動が過激派の起こした諸事件によって急速に共感が失われていったのちにも「何となく、リベラル」の方がいかつく恐ろしい「保守反動」のオヤジ達よりはとっつきやすいし正しいのではないか、という感じがなんとなくの多数派になっていたということがあると思う。
私自身も学生の頃、「人喰い人種と分かり合えるか(今なら逆にポリコレに引っかかる)」という議論をしたがあるが、自分は「いつかは分かり合える」と主張するくらいにはリベラルだった。今は「ネオリベやイスラム過激派ともこちらに力があれば折り合える点は見つけられる」くらいには思うが、考えてみれば十分リベラルではないかと思う。
しかし90年代、つまり冷戦の終結とアメリカの勝利の時期に始まった「ポリティカル・コレクトネス=政治的正しさ」の議論は、「問答無用で政治的に正しくないものを切り捨てる」、という方向になり、むしろリベラル派自体が寛容さを失い、反対派というよりもノンポリや中立層を糾弾して力づくで押さえ込んでいく感じになり始めた。これはいわゆる「言語論的転回」により「全ての言説は政治的」というような行き過ぎた文系学問の政治化が行われたことと無縁ではないわけだけど、その中でフェミニズムが台頭していったことが大きな破壊の始まりだったと思う。
「なんとなくの薄甘いリベラル」な人々も踏み絵を踏まされるようになったのがこのところの傾向で、フェミニズムやLGBTに批判をするとキャンセルカルチャーを仕掛けられて職を追われたり、「性被害の街」みたいなレッテルばりの糾弾が行われるようになってきていた。まさにポリコレ(woke)恐怖政治の時代だったと言えるだろう。
私は90年代、オウム真理教事件の頃からリベラルや左派の政治的な実行力に疑問を持つようになって保守派に転向し、右翼や保守についてはかなり考えてきたつもりだけれども、リベラルには基本的に期待は持っていたのだけど小林よしのり「戦争論」をめぐる議論の中で、リベラルの限界みたいなものを感じるようになってからは批判に転じた、という感じである。
しかし自由主義が共産主義に勝利し、また911後のテロとの戦いの時代になっても、やはり保守派や右翼を自称することはなかなかハードルが高かったわけで、それはやはり敗戦のトラウマ、戦後民主主義教育の残滓というものだったのだろうと思う。
USAIDができたのはケネディ政権、つまり冷戦時代で、共産主義ソ連の社会主義布教に対抗するアメリカの大きな戦力の一つであったわけだけど、「国際援助」というもの自体にさまざまな問題があることは当然ながら当時から指摘されていた。USAIDが解体されて出てきたいろいろな話は「さもありなん」というものもあれば「そこまで酷かったのか」というものもあるのだけど、ここまで民主党リベラルのwoke層に乗っ取られたものだったのか、というのが正直な感想である。アメリカが国際援助に今後どのように関与していくべきか、というのは別の問題としてあるとしても、とりあえず今は活動を停止させる、というのは正しい判断であるようには思う。
トランプの指令を受けてさまざまな政府機関を槍玉にあげていくイーロン・マスクのDOGEを「紅衛兵のようだ」と非難する人がいるようだが、中国が聞いたらどういうだろうかと思うと可笑しい。ただまさに文化大革命というか、「トランプ大革命」が進行しているということは確かなんだろうと思う。
いろいろ描きたいことは他にもあるが、とりあえず今日はここまで。昨日は4時45分東京発の特急で帰省し、夜はなんだかドライカレーが食べたくなったので(共栄堂についてのツイートを読んだせいだと思う)駅前のスーパーで簡単に食べられそうなものを探したがなかったのでキーマカレーのレトルトを買って食べた。なんだか疲れが出てしまって早めに寝た。
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