勉強法とか/アフリカの人々にとっての「歴史」の重要性
Posted at 25/02/09
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2月9日(日)晴れ
今朝の今の所の最低気温はマイナス8.8度、これは今季1番の冷え込みだ。しかし起きた時にはそんなに寒いとは思わなかった。でもなかなか布団から出たくないな、という感じはあったので、それが眠いせいかと思っていたけど寒いせいだったのかもしれない。今朝は割と早めの特急で帰京する予定なので朝からキビキビ動いている。このくらい冷え込むと洗濯機に水を供給する水道が凍結してしまうことがあるのだが、今朝は大丈夫だったのでもっと暖かいと思っていたのだが、まあ止まらなくて良かった。
昨日は勉強法のことについて書いたのだけど反応があまりなかったので、このアカウントを読みきていただいている人には関心があまりないことなのかと思ったり。とりあえずいいねの数で反応を伺っているのだけど、時々新しいことを書こうと思ってやってみると大体成績が悪い。逆に言えばそれなりにお客さんがいるということか。まあ勉強法などは巷に溢れているのでレッドオーシャンだから、あえてよく知らない人のものを読もうとはしないということかもしれないのだが。
毎日継続して勉強法を語るほどの余裕はないので勉強法アカウントにはならないから(少なくともこのアカウントは)時々何か思ったことがあった時にでも書いていこうと思う。
「〇〇を知るための〇〇章」というシリーズは私もよく読んでいて、よく知らない地域についての基礎知識を得るのにかなり有効だと思っている。割合よく知っている国についてのものを読んでいるわけではないからその精度については分かりきれないが、最近はアフリカについて割合継続的に関心を持っているので今回は「コンゴ民主共和国についての50章」を読んでいた。
ヨーロッパの国であれば最初に少し地理的なことが書かれていてそのあとはまず歴史的なこと、文化的なこと、政治的なこと、といった感じにつながるわけだが、DRコンゴに関しては第一部が自然・地理としてコンゴの国としての困難さ(中央が巨大な空白域で西・東・南の周縁に人口密集地がある)、地形、熱帯雨林の生態、ボノボの研究と保護、自然保護活動、エボラ出血熱とエイズ、といったことが取り上げられている。ここまでが13章だから4分の1ほどを占めていて、かなり多い。
第二部が歴史で、私は植民地化以前のコンゴ王国、特にそのアフリカ諸国やヨーロッパ諸国との外交や交易などに関心があったので、いきなりベルギーによる植民地化の話から始まっていてがっかりした。その後の話題も「闇の奥」、コンゴ動乱、モブツ独裁政権、カビラ政権からチセケディ現政権へという流れ。
つまりアフリカを「自然豊か」な、「人の介入を許さない深い自然の」、「自然保護の対象であり」「野生動物の調査と保護の対象の場所であり」「未知の病気の源であり」「ヨーロッパ諸国に不当に植民地化され」「植民地文学」の発想源であり、独立後の軍事政権や独裁政権、その後も不安定な政治状態、援助対象といったアフリカという言葉で思いつくステレオタイプからの視点が強く感じられたわけである。
その後は文化社会、生業経済・政治国際関係・日本との関わりと続くが、コンゴの国家や人々の主体性のようなものが生き生きと書かれていると感じられる項目が目次からは見つけられなかった。
最近のアフリカ関係のもの、特に岩波講座世界史のアフリカ史などを読んでいると、アフリカ人たちがどういう主体性を持って国家建設や開発、アフリカ統一などの目標に向かって歩み、無文字社会においてどう歴史を書いていくかなどかなり野心的な試みもあって、その暴走がフランスのUBIソフトの「アサシンクリードシャドウズ」の弥助騒動などに現れてはいるのだが、歴史を捏造する弥助騒動ようなものはともかく、アフリカの人々にとって「歴史」というものが今焦点になっていると感じていたので、植民地化から始まる「頭のない歴史」でその国を理解しようとするのは不適切ではないかと感じられたのだった。
まあ、今まで読んできたところがそういう印象を与える部分でここからは違うかもしれないのでもう少し読んでみようとは思うけれども、目次に目を通せばある程度はその本がどういう思想で書かれているか、編集されているかは読み取れるので、DRコンゴについてもよりそうした方面に切り込んでもらえると読みがいがあるなとは思ったのだった。
ただ、逆に言えばこのシリーズの他の本は、結構そういうその国の人たちの主体性や価値観のようなものが結構読み取れる、昔読んだような単純な旅行記や探検記ではなく、また援助記録でもない彼らの視点から見たその国や彼らの視点から見た世界がわかるようなものが多いということではある。
歴史や地理にしてももちろん客観的な叙述は重要だし、弥助騒動のように事実を歪曲したり捏造したりするのはフィクションの世界にとどめておいてもらわないと他の国やそこに住む人々との間に軋轢を生むのである程度弁えるところが必要なのだけど、ただ彼らが何を求めてどうしようとしているのかがその地域の実情に即して理解できるようなもの、彼らのアイデンティティの根本にあるものが何か、というようなことがもっと明らかにされていくような研究や記述が重要だと思うし、読みたいと思うのだった。
ルワンダとの対立、反体制勢力との戦いなどで注目されているが、この辺りのところもそうした背景がわかるとより理解できるようになるのではないかという気はした。
あと、本棚にあった村上春樹さんの旅行記「ラオスにいったい何があるというんですか?」を少し読んでいたのだが、発展途上国への旅行のところはどうもイシグロの「縦の旅行」の概念が出てきて以来あまり読む気がしないのだけど、アメリカのポートランドのレストランの話は割と面白かった。これもまあ読みかけなので感想はまた後で。
また全然関係ないが、マダガスカルの一人当たりのお米の消費量が日本の2倍、というのも興味深かった。彼らは自分たちがアフリカ人であるという意識がないのだというのも面白い。多様な世界ではある。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/352321/081900012/?P=4
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