ジャンププラスを読んで元気が出てきた/「教養主義の没落」と米津玄師さんと「世の中の主流との距離感」
Posted at 25/02/05 PermaLink» Tweet
2月5日(水)晴れ
今朝の今のところの最低気温はマイナス4.8度、昨日よりは寒いのだが昨日より少しは元気になった感じがするせいか、そんなに寒さを感じていない。一昨日昨日とちょっと気持ちが沈むようなことがあったので体力も落ちたかなという感じだったのだけど、先ほどジャンプ+で「チェンソーマン」「株式会社マジルミエ」「エクソシストを堕とせない」「サネカの嫁入り」を読んでいたらちょっと元気が出てきた。こういう少し凹んでいる時に元気付けてくれるような展開のマンガを読めるというのは本当にありがたいことだと思う。「力をもらった」とよくいうけれども、「力強い援軍が来た」という感じがある。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567263235505827
特に良かったのは「株式会社マジルミエ」。今最新9話分が無料になっているようなので、少し読み返すこともできる。絶体絶命の状況になった時に二人の社長、古賀が「安くみられたもんだな」と言い、「16年前のアリスの事故から僕らが何億回這い上がってきたと思っている」「経営者の強熱を舐めてんじゃねえ!!」重本が「辛い時こそ笑うのが経営者だ」と答えるのが最高だった。
これはナルニア国シリーズの5巻、「馬と少年」これは題名が気に入ったのか子供の子最初にこの本を読んだのだが、その後何百回となく読み返して、最後にアーケン国の国王が「国王というものは、誰よりも立派な服を着て、誰よりも腹をすかせていても、誰よりも笑っているものだ」というところがあり(記憶で書いているので不確か)、ああ、大人というものはこういうものなんだな、と子供心に思ったことがあったのを思い出した。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567263235505783
「エクソシストを堕とせない」では地獄の底、ゲヘナの宮殿の中で瀕死のイムリを見守る「神父くん」が悪魔(魔王)たち、貪欲のリヴァイアサン、色欲のアスモデウスらと話している場面。イムリのことを好きになってしまい、自らの戒との矛盾に苦しみながら悪魔と戦って、怠惰の悪魔ベルフェゴールを退けたものの、混乱の中で神父くんを守るために立ちはだかったイムリが瀕死になってしまい、その治療のためならと地獄の底へやってきた、という場面。
イムリはもともとアダムをたぶらかしたリリンの一族で、憤怒の魔王サタンの使い魔として最強の法力を持ちながら子供らしい不安定さを持つ神父くんに近づいたのだが、イムリも正体を教会側に明らかにしたためにまだ信じていた神父くんと協会側が対立することになったが、地獄に来て本当のことを知ってしまうという展開。
神父くんがイムリを取り戻すために最後の敵であろう「始まりの悪魔」ルシファーと戦うことを決意する言葉が「どのみち僕は全てを失っている。もう前に進むだけだ」というのがかっこよくて、まあうまくいかないことが続いていてもそうだな、開き直って前に進むしかないんだな、と思わせてくれる力があるなと思った。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567263235505596
「チェンソーマン」はひどい状況の中、アサに取り憑いた戦争の悪魔・ヨルとデンジのひどいデートの場面の中で、死の悪魔が降りてきたら高位の悪魔が出迎えるから火の悪魔や支配の悪魔と出会えるかもしれない、という中で、血の悪魔、つまりパワーの生まれ変わりと会えるかもしれない、でもあっても他人か、と独言ち、「仲良くしてくれるのはお前たち(アサとヨル)だけだ」と言い、「関係ねえよ。今久しぶりにちょっと楽しいもん」というのが良かった。
めちゃくちゃな状況の中だからこそ、「仲良くしてくれる人(半分は悪魔だが)がいる」ということが楽しい、というシンプルなことの良さが際立って感じられる、というのは本当に上手いと思った。ただそこまでついてこられない読者も多いだろうなとは思ったが。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567263235505284
「サネカの嫁入り」は祖父の家に住み着いた家の守り神でタヌキの化身であるサネカと「結婚」することになる、といういわば異類婚姻譚だが、この辺は全部設定通りしれっと進行する感じなのが現代的という感じである。
一度実家に帰って父と会った時の話の展開はスピード感があって面白い。祖父の家に戻ってきて、いちいち修理修繕する箇所を点検していく展開がちょっと好きだった。あとはまあ普通にラブコメ展開みたいになっているのも現代的でいいのだが、最近はなるべく単行本を買うのをセーブしようと思っていたのだけど、これは買ってもいいかもしれないという気がしてきた。ちなみにこれのみ火曜日の更新で、上の三つは水曜更新である。
***
かなり前に読んで大変面白く、教養主義というものは自分にとっても一つのテーマというか、現代における教養をどう蘇らせるかというのは大事な目標の一つだなと思った本として、竹内洋「教養主義の没落」(中公新書)があるのだが、これが今またベストセラーになっているらしい。
https://x.com/tarareba722/status/1886364415379050604
https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi30/page/3
このインタビュー自体、まだちゃんと読んでないのだが全体的に面白い感じだなと思ったのだけど、彼がガンダムやメダリストの話をしていると、なるほど自分の好みとか傾向とかなり違うなと思うし、彼のようなヒットメーカーがこういうものに関わっているということは自分がやはり今の世の傾向とは離れたところにいるのだなということを自覚するなとは思った。
その彼がこの本をどう面白いと思い、教養主義というものをどう捉えたのかというのはインタビューを読んだりしてみないとわからないところもあるのだと思うけれども、このように「一部自分と重なるものがある」インフルエンサーというものは世の主流と自分を図る距離感を捉えるのにちょうどいい存在なんだな、というのが今日の感想だった。そういえば彼には私が知っている数少ない曲として「Lemon」というヒット曲もあったが、もちろんこれは「檸檬」に対する意識はあるのだろうなとは思う。
多分若い頃は、世の中と自分との距離感は割と意識しやすいと思うのだけど、歳をとってくるとなかなかわかりにくくなってくる。まあ米津さんだけが世の中の主流というわけではない、というか彼自身も自分が主流という意識はないと思うけれども、トレンドを作る力を持っている人であることは間違いないし、そういう人たちの作るトレンドが複合して世の中の主流というものを作っていくわけだから、世の中の距離を測りながら自分の文章も書いていきたいと思った。
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