フジテレビの株を持ち直させた総会屋的な記者たち/トランプは何をやりたいのか/コロナがもたらした人生の解像度の低下/ランドリオール43巻:王国の始原に迫る高揚感
Posted at 25/01/28 PermaLink» Tweet
1月28日(火)小雨・曇り
昨日帰郷。午前中は家でいろいろやり、借りていた「ハザール」を返しに図書館に行って、帰りに和菓子屋さんで弁当を買って帰った。地元にもいろいろなお店があるのだけど、あまり帰れていなかったのでその存在を忘れていた店とかいくつかあって、こちらもその一つ。日曜日のお昼のお弁当とかを買うのにとてもいい店で、美味しい。そういう店を見つけたり思い出したりするのが「地元に対する解像度が上がる」ということなんだなと思う。イオンやセブンばかりで買い物をするようになるとそういうことを忘れてしまうのだなと思った。
昼過ぎに準備をし、2時過ぎに出発。バスで駅に出て大手町の丸善へ。「Landreaall」43巻を買い、三階のカフェに行ったら結構混んでいてさてどうするかと思って四階に行ってみたら割合席が空いていたので入る。チョコレートケーキにコーヒー。三階の方が安く上がるがたまにはいいかと。ただ思ったより時間がなくて、あまり本を見られなかった。ただまあ、読もうと思って読めてない本はたくさんあるのでまあいいかとも思う。一月は何しろ4週連続で東京に帰ったので毎週書店に行かなくてもいいか、というくらいの感じになってしまった。他にも行きたいところがなくはないのだが、それこそ自分のしたいことやそれぞれの街に対する解像度をもっと上げていかないと何をしたいのかわからなくなるなと思う。
結局コロナというものは、自分のやりたいことを最低限に制限させることによって、人生に対する解像度を著しく下げさせ、自分の中でもそれがなかなか回復してこなかった、というのが最大の問題点だったのだなと思う。いろいろと取り返さなければならないものはまだあるし、これから構築しなければいけないものもまだある。人生先は長い。大変だけど楽しみでもある。楽しみがないとやってられない、ということはコロナがもたらした最大の教訓なのかもしれないな、と思う。
新宿に出て自動販売機でお茶を買っていたら声をかけられ、誰かと思ったら従兄弟だった。法事の話や家族の近況など話す。彼は私より15歳くらい年下なこともありいろいろ状況も違うが、たまに会うといろいろ話もあり、座席も号車が遠いのでホームで別れたが、気になっていたことがいくつかわかったのでよかったとも思った。
***
帰りにスーパーで夕食の買い物をし、帰ってきたら引き落としができなかったお知らせが来ていたので確認したが次回は大丈夫なはずなので、念のためにと思ってご飯を仕掛けてから再度出かけて銀行で記帳したのだけど、別の口座の残高が思ったより少ないので良くみてみたら1年に一度の火災保険がかなりの額で落ちていて、それを見落としていたことがわかった。毎月落ちるものは大体は覚えているのだが、年に一度のものは引き落とされびっくりすることが時々ある。今のところ大きな問題にはなっていないが気をつけないとと思う。
帰ってきてご飯を食べ、9時からNHKのニュースを見たらフジテレビの記者会見がトップで、どうやらフジテレビで生中継(10分ディレイ)しているらしいとわかり、つけてみたがなんだかひどい雰囲気だったので30秒で消した。消化に悪い。早めに寝たが、起きてからネットを見ると日付が変わっても会見はやっていたらしく、10時間半になったというからまともじゃない。
ネットで記事を見るとまた例によって東京新聞の望月記者らが会見を引っ掻き回していて、若手記者にたしなめられたりしていたようだが、あまりにも彼らがひどいのでフジテレビの株がちょっと上がっていたのが可笑しかった。ただまあ笑い事ではないわけで、マスコミにはフジテレビ型の旧態依然の問題もまだあるのは確かだけど、こういう「輩」とか「総会屋」のような質の悪い記者、またそれを支える政治勢力が報道を害しているということもはっきりわかってきたようで、なんだまたその問題に帰着するのか、と改めて思った。wokeの実態というかその勢力を支える暴力的な基盤は結局こういうところにあるんだよなと改めて思った。
***
「Landreaall」43巻面白い。この連載も25年くらいになるのだろうか。今やってるダンジョン編が始まった時にはなんというかRPGゲームのノリのストーリーに付け足されたものなのか、くらいの感覚で読んでいたのだけど、ダンジョンの深いところに行けばいくほど読み出のある話になってきて、実は「王国」の始原に迫る話だというのが明らかにされるとすごく広がりのある話なのだということがわかってきて、とても面白い。
物語世界の中の謎がそれぞれの各編で明らかにされていくという構造もとても魅力的で、ウルファネア編では「竜」というものについて、クレッサール編では王国の数十年の歴史について、そしてダンジョン編では王国の始原と竜の本質について、みたいな感じで深まっていくのがこの作品の魅力だと思った。
最初の頃はあまりそういうことを考えないで読んでいてそれでも十分面白かったのだけど、最近はそういう構造的な面白さの方をまた強く感じるようになっている。数十年かけてそういう物語世界の謎を探っていくというのは本当に魅力的だ。コミックZEROSUMの連載でもずっと読んでいるのだが、単行本で改めて読むと(単行本で追加された内容もあるのだが)さらに引き込まれる感じがある。
この辺りはワンピースなどとも似ているが、ワンピースがどちらかというと「桃太郎」とか「浦島太郎」みたいな物語世界の、つまりいわば日本的な、お伽話的な世界観が強く感じられるのに対し、ランドリオールはシンデレラとかナルニア国みたいなヨーロッパ的なお話にゲーム的な要素や近代感覚・世界史感覚をプラスしてさらにスピリチュアル的に展開した部分もあり、全体がドライで軽妙でじめじめしたところがないだけに人間の怖さやある種の哀れさが浮き彫りにされやすくなっているところもあってまあ簡単に言えば大変面白い。
***
トランプの目指すもの、というのを考えていて、国内政治的には製造業の復活とか若い男性の支持を取り付ける、つまりは国力の回復、という路線なんだろうと思うのだけど、国際的にはなかなか「アメリカをどういう国にしたいのか」というのが見えてこない感じがする。アメリカ一強支配の世界を作りたい、というわけでもないし、中国やロシアなどの諸国も基本的にはディールの相手と見ているわけで、ヨーロッパ諸国のような小理屈でアメリカを封じ込めようとしてきた国々にとっては理屈や意識高い思想みたいなものが通じないから御し難い相手だということになるだろう。
またトランプの一期目にはメルケルをはじめ面倒くさい古い政治家がたくさんいて、意気投合したのは安倍さんくらいだったが、今はメローニなど波長の合う政治家が多くなってる感じはある。トランプより格上と感じさせる政治家もいなくなったし、国力と行動力を考えるとしばらくはトランプのお手並み拝見という感じになるだろうなとは思う。
彼は基本的にアメリカ「合衆国」の歴史を尊重していて、woke的に歴史を見直そうというような動きには反対しているように思えるのは、1次政権末期のBLM運動のような歴史の見直し的な考えには敵対する方向であるとは思える。
グリーンランドやパナマ運河を欲しがるなどは帝国主義的な動きにも見えるが、その動機を見ると要は中国に対抗するということで、その封じ込めを理屈をもって実行しつつ経済的な自由主義を取ることによって帰って中国の進出を招いているという現状には批判的なのだろうと思う。
また政治的な自由主義によって不法移民がアメリカに流入していることがアメリカの危機を招いているという認識で、その両方の意味でアメリカの立て直しを図っているというのがトランプ政権なのだろうとは思う。
国家の基本というのは領土・国民・政府であるわけだが、それが曖昧になりつつあるのが現代で、トランプの意思はそれをもう一度明確化させたい、というところにあるのだろうと思う。アメリカの政府はアメリカの政府であって、世界政府ではない。アメリカはアメリカの利益になることはやるがならないことに手を出したくない。だから同盟国にも金を出せという。また国民も、不法移民がどんどん入ってくるような状態では国民の範囲を確定できない。だからそこは厳しく対処する。領土に関しても、国内の東西の輸送に重要な意味を持つパナマ運河を領有していたのをパナマに返還したら中国が管理するようになった、だからそれを取り戻す。グリーンランドもデンマークの統治能力が十分にない(とおそらくトランプが考えている)からアメリカが管理しないと中国やロシアからの脅威に対抗できない、だからアメリカによこせ、という理屈なのだと思う。そう考えればトランプには崇高な理想というものはないけれども、アメリカを守ろうという意思は非常にはっきりとある、ということはよくわかる。
世界に対しては基本的にアメリカの伝統である孤立主義であり、逆に言えばアメリカの利益になると考えれば紛争に介入することもあるだろうから、そこはいかにトランプを説得するか、ということが各国にとって重要になってくるわけで、ゼレンスキーにしてもネタニヤフにしてもトランプに自分を支持させることに最大限に心を砕いている感じは強い。
そういう意味で東アジアはぽっかりと空白地帯になっている感があり、石破政権の体たらくや韓国の混乱もなんだか嵐の前の静けさでまだ済んでいるが、中国や北朝鮮が時期を見計らって動いてきた時にどう対処するのかということは全然見えていないわけで、今のうちに体勢をしっかりしてもらいたいと思うのだが、石破政権ではな、という感じになっている。
アメリカは帝国として復活しようとしているのではないか、という意見がTwitterにあって考えているのだが、正直どうもあまりよくわからない。要はアメリカはアメリカのことを考えていればいい、というふうにしか今のところ自分には見えない、という感じである。
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