「県民局長の公用パソコンの中身」と「戦いを好むトリックスターが世界を変える可能性」/アレッポ失陥とシリア・アサド政権の軍事力の弱体化
Posted at 24/11/30 PermaLink» Tweet
11月30日(土)曇り
雪の予報が出ているのだが、今のところ降っていないようだし、降っていても積もってはいないので、路面は大丈夫そうだ。普段使っている車がまだノーマルなので、スタッドレスを履かせている軽を持ってきたのだが、ノーマルでも多分今日は大丈夫かなと思う。
昨日は午前中に母を病院に連れて行った。弟に頼んでいた銀行関係のことをやりに来てくれていたので、病院のあと、母に会ったりできたのはよかった。とりあえずいろいろ片付けて、西友で買い物して、母を施設に送り届けてから、弟と実家に戻って野菜ラーメンを作って食べた。
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シリアでは反政府武装組織の活動が活発化し、シリア西北部のアレッポが戦闘状態になっているようだ。これは専門家の意見を読むと、ロシアがウクライナ戦争でシリアに手が回らなくなり、政府軍が弱体化していることと、シリアを援助してきたイランがヒズボラやイラク民兵などをイスラエルとの対峙の中でかなりの部分を失ったことが大きいとのこと。これは両方とも納得できる。シリアのアサド政権が何故ここまで持ち堪えてきたのかといえば、その両者の支援が大きかったわけだから、ウクライナの抵抗とイスラエルの親イラン組織への打撃によってそれらの両翼が失われ、シリア政府軍本隊の本来の力ではアレッポを維持できないような状態になっているのだろう。
反政府軍がすでにアレッポ中心部に達したということなのだが、完全陥落というわけでもないようだから詳しいことは続報を待ちたい。
アレッポは日本では「アレッポの石鹸」などで知られているけれども、シリア第二の都市なので、当然ながら一般市民も多い。政府軍側は「テロリストは撃退した」と言っているため、無防備都市にはなっておらず、戦闘地域の中を市民が避難するような状況になっているようだ。市街戦で犠牲が多いことは第二次世界大戦のマニラ市街戦など例は多いから、一般市民の安全を確保は急務だろうと思う。
今回の反政府勢力の攻勢はトルコのエルドアン政権の影響は大きいようだが、市民の犠牲はなるべく出さないように事態が推移すると良いと思うのだが。
https://x.com/onigari_ijousya/status/1862508915101245513
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先日いくつか書いたテーマについて書こうというのはあるのだが、なんというかタイミングが掴めない感じ。朝の時間に書くべき内容か、みたいなこともある。朝に書く文章はなるべくポジティブなものにしたいし、変に批判的な文章はそれこそ内的必然性があるときでないと書きたくない感じはある。
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昨日は弟に来てもらっていろいろやってもらったからだいぶこちらの状況も整理できて一息ついた感じがあり、少し一息入れたい感じがあるので、小ネタや何か人の役に立ちそうな話でも書きたいのだが。
とりあえず車のガソリンを入れてきて、続きを書いている。
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Twitter上では「県民局長の公用パソコンの中身」「クーデター顛末記」「智子写真館」などが並んでいて、何かと思ったら立花孝志氏が兵庫県の斎藤知事を告発した県民局長のパソコンの中身をネット上に公開した、ということのようだ。何故立花氏がこの情報を掴んだのかはよくわからないが、斎藤知事をめぐる問題も完全に泥試合になってきた感じがある。
https://x.com/tachibanat/status/1862506930193019094
パソコンの中身については、一時代前なら「武士の情け」という感じで不問に付される感じの内容である気はするが、それが県政を揺るがす問題につながっているとあれば隠蔽は難しいかもしれない。ある意味プライバシーと公益、公私混同、公務員倫理・社会人倫理の問題など、様々な問題が絡んできてしまっている。
泥試合というのはこういう人間的な弱点みたいなものをお互いにつつき合って有権者が顔を顰める中で行われるものであるわけだが、こういうものは開き直った人は強いし、イメージを大事にする人は弱い。立花氏は典型的な前者だし、斎藤知事に関することの悪役や泥の被り役、非難の矛先を一手に引き受けている感じがあり、昔からそういう人はいた、というかある意味古いタイプの「政治に関わる人」という感じであるが、それを全部公開戦略で行うというところが新しいのかもしれない。
暇空茜氏がコラボなどの情報を公開して問題点を指摘していくのは、コラボに関わるフェミニスト団体が表現の自由を攻撃し、その「自分が読みたい表現」を守るために戦っている、という動機はわかりやすい。立花氏に関しては何故そこまでやるのか、見ている側にはよくわからないところがあるが、選挙というものに関わる人の話を聞いていると、「戦いがあると無条件に燃える」というタイプはいるらしく、まあ少年漫画でも「ワンピース」の登場人物にはそういうタイプが多いけれども、それがリアルの政治の場面でやっているのが彼なのかなという気はする。
堀江貴文氏や橋下徹氏などにもそういうのと似たものを感じるところはあるが、堀江氏は今は経済の世界でやりたいことをやっている感じがあるし、橋下氏は要は「大阪を変えたい」というのが動機、原動力であった感じはある。立花氏についてはそういうところがよくわからないので、やはり「戦いというものそれ自体を好む」というタイプなのかなという気がする。
立花氏が標的にしてきたのはまず最初はNHKで、この時からそれなりに支持者を獲得していた。今年の東京のいくつかの選挙では大量立候補で掲示板をジャックする、という敵が誰かは分からないがとにかく局面を混乱させるという感じの戦い方だった。将棋の羽生九段が書いていたが、有利な局面では一直線に勝利に向かって手を打っていくが、不利な時には局面を混乱させて勝利のきっかけになるような芽を掴む、のだそうで、そういう意味ではその時の立花氏は自分が不利な状況だと考えていたのかもしれないなと今にして思う。
今回の兵庫県知事選については自分も立候補するがその目的は斎藤知事を支援すること、という奇抜なやり方を選択し、斎藤知事に反対する勢力、特に県議会や100条委員会に関わる人たちを標的にする、という手段を選択した。斎藤知事再選において、立花氏の影響力はかなり大きかったのは多くの人がその行動に対する賛否にかかわらず認めるところではないかと思う。
しかしPR会社の女性社長が自爆とも言える斎藤知事の選挙のSNS戦略を公開したためにまた形勢が悪くなっていた。そこに今回普通は禁じ手だろうと思われる手段で立花氏が県議会側に攻撃を仕掛けるということになった。今までの政治の世界の戦い方の隙を突くやり方で、これは暇空氏が社会運動と行政の馴れ合い的な部分をついてきたことと共通するところはあるだろう。
こうしたある種のトリックスターの最大の人物はトランプ次期大統領だと思うが、日本にもこういう人が出てきたというのはそういう時代なんだろうなと思う。wokeの退潮や世界的な政治の方向性の変化ということもあるのだが、こうしたトリックスターに大きな役回りが与えられる時代ということは一つ考えるべきだろうと思う。
そうなるのは、「常識的に考えて何かおかしい」という市民の感覚に対し、wokeの人たち、あるいは既得権益の側の人たちの説明は論理的には破綻していても「何が正義か」という「正義を認定する立場」を獲得して論理的な批判を無視してやりたい放題になっている人たちに対して伝統的な保守側の反論みたいなものが無力になっていて、(それは江藤淳氏や西部邁氏ら正統的な保守の人たちが自死の形で世を去ったり、安倍元首相のように直接的な暴力で暗殺されたりしたことと無縁ではない)だからこそ期待がそういう人々に集まる、という形になっているということなのだろうと思う。
逆にいえば、今まで知性=インテリジェンスが支配してきた世界において、「常識」ないし「市民感覚」の側が、「非常識な手段を取れるトリックスター」を後押しすることで異議申し立てをしている、つまりいわば現在の「歪んだ知的空間」に対する反撃の狼煙が挙げられているということだと解釈することもできるだろう。
だから暇空氏や立花氏のような一見不作法なトリックスターが力を得てきていると眉を顰めるだけで済むような問題ではなく、大きな構造に対する構造転換の始まりであると考えることもできるようには思う。
とはいえ、私などはそういうトリックスターについては観察はしていかないといけないと思うし、是々非々で場合よっては支持することもあるだろうとは思うのだけど、基本的には知性の側、また保守の側としてありうべき世界を考えていくというスタンスを変えることは難しいなとは思う。
ただ世界の変換はどういう形で起こるのかは分からないわけで、それに対処するためにはしっかり観察していくしかないわけである。今後の推移を見守りたい。
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