「正反対な君と僕」最終回:非日常を経験したからこそ見える「日常」の煌めき/マンガを読む「おおきく振りかぶって」「宝石の国」「ふつうの軽音部」
Posted at 24/11/25 PermaLink» Tweet
11月25日(月)晴れ
昨日は午前中作業場のマンガを整理したり、午後は「おおきく振りかぶって」の37巻相当分をアフタヌーンと両方読み返してどこが変わっているかを確認したり。
前半の日常シーンのようなところはキャラクターだけでなく背景もかなり書き換えられていた。実際にある高校の風景を写真を参考に書かれたものを非実在のものに書き換えたのかなという気がしたが、あまりそうでないところも相当変わっていたので、読みやすさを優先して書き直したのかなと思った。36巻では書き文字だったところが活字に変わっていてそこはちょっと残念だったが、今回はそういう改変はなかったと思う。途中で1ページ増えてそのためにページの左右が半分以上変わっていたのだが、後半で校歌の練習のところで「甲子園で歌う」という部分がカットされていてそのあとは左右は元に戻っていた。練習風景などの単行本オリジナルが途中で見開きで挟まれていたが、そのために動かしたのかなという気もした。
1年生キャラの細かい描写が変わっていたり、辻褄の合わないセリフが少し変えられたり、照明の設置費用が少し安くなっていたり、細かい変更は少しあったがネーム自体はほぼ変更なく、後半の練習風景は基本的に変更は加えられていなかったと思う。こういうことがあると連載誌も取っておきたくなるのだが、スペースの関係もあって難しいので、単行本が出た時点で一応確認しておくのに止める感じである。
こういうことは連載誌で読んだときに熟読していると単行本を読み返して違和感があって気がつくのだが、最初にそういうことを始めたのは「進撃の巨人」の時だっただろうか。「Landreaall」も単行本では特に背景が加えられていることが多く、そういうのを比較するのもある意味マニアックな楽しみ方ではあるのだが、作家さんにしてみたらどう感じるのかなという気はしないでもない。
内容的には新一年生が入って今までの一年生も上級生になり、先輩としていろいろ教えたり気を使ったり、体力の差が歴然としたりするところがリアルで面白いなと思う。基本的に連載で追いかけているので単行本での新たな発見はそんなになかったのだけど、「練習場に夜間照明がつく」という何でもないようなことがビッグイベントになるのが部活動というものだよなとか、そういうリアルさも面白いなと思った。
同じように「宝石の国」も復習しようかと思ったが、まず途中から展開がよくわからなくなっているのでどこかから読み直さないといけない感じだなと思う。とりあえず12巻からでいいかと思って今少し読んでみたが12巻の最初もよくわからないから、もう少し前から読まないといけない感じである。13巻108話で完結したので、少し時間をとって最初から読み直すのもいいかなとは思う。
「宝石の国」は最初はアフタヌーンでも読んでいなかったのだが、アニメを見て追いかける気になった作品で、アニメはBDを全部購入した作品でもある。最近はあまりそういうことをしていないが、放映されたのは2017年のことなのでもう7年も前だ。あれからコロナ禍があってなんだか世界もすっかり変わってしまった感じがするけれども、そういうアフター・アポカリプスみたいな雰囲気を今の世界が持っているからこそ、この滅亡後の人類を描いた作品が魅力的に見えるのかもしれないという気はする。
「ふつうの軽音部」が昨日2週間ぶりの更新。毎週土曜日の夜か日曜日の朝に読むことが習慣になっているから更新がないとかなりペースが狂ってしまう、という作品になってきた。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567260965582580
前話の45話で3年生が引退し、今回の46話からが1・2年生だけになる「新体制」で話が動いていくわけだが、その辺の変化の描き方が相変わらず上手いなと思う。文化祭で得たものが何で、欲が出たものが何で、関係性が進んだものが何で、亡くなったものが何か、というようなところを丁寧に描いているのが本当にいい。今までは3年生が少しだけ出てきて、文化祭の「たまき先輩過去編」で3年生の魅力がよく描かれたが、ここからは1年生と今までほとんど描かれてこなかった2年生との関係が描かれていくという当たり前の展開がとてもワクワクさせる。
https://x.com/kuwahali/status/1860656502891217124
このツイートで取り上げられているのは今までメンバー紹介が済んでいる分で、1年生のバンドはあと「トゲトゲピーナッツ」と「カキフライエフェクト」があるはずだから、46話ラストのページに紹介されているバンドのうち、「フォレストチアガール」「sick parade」「BAKLAVA」「ミドー」「ハッセーズ」は2年生のバンドだと思うのだが、来週以降その辺も答えあわせがされていくのだろう。1年生は現状27人(すでに10数人やめていることになる)ということで、一教室に入れるということは2年生も20人前後ということなのだろう。特に「カキフライエフェクト」のビジュアルは意外性があり、感想欄やTwitterなどでも「どういうバンドなんだ!?」という声が上がっていた。楽しみである。
私はこの作品に出てきた楽曲をiTunesでDLしてiPhoneで再生しSoundCoreのワイヤレスイヤホンで(たまき先輩の影響)再生してよく聞いているのだが、こういういわゆる現在「ロキノン系」と言われているらしい21世紀に出てきたバンドはほとんど聞いたことがなかったので、新しい音楽の世界が開拓されたようで本当に嬉しいなと思っている。
音楽の趣味は20代以降新しいものが加わることはほとんどない、とよく言われているけれども、そんなこともないなと思う。クラシックを聞くようになったのもジャズを聴くようになったのも20代から30代にかけてだし、パンクもどちらかというと30代になってから多少は効くようになった気がする。
確かに、若い頃にそういういろいろな音楽に少し触れているかどうかというのは結構違うかもしれないなとは思うのだが、最初はandymoriなども結構聴きづらかったので、耳が慣れてくるということは大事だなと思う。
夜は書店に出かけようかと思ったが欲しいものも特にないのでやめて、スーパーでお茶とラーメンの材料など買ってきたが、まだ昼のおかずが残っていたのでラーメンは月曜の昼にすることにし、野菜炒めなどして夕食のおかずに加えて済ませた。
今朝はやることがたくさんあるから夜のうちに月曜更新分のブログを書いておこうと思ったのだが眠くてかけず、起きてからいろいろネタを考えていたのだが、結局昨日からマンガしか読んでないので漫画の感想を書いている。
少し「ブログのネタの探し方」ということについて考えたのでそのことについて書こうと思ったのだけど、もう少しまとめてから書いた方がいい気がするのでとりあえず今日はマンガのことだけにしようかと思う。
ジャンププラス月曜更新の「正反対な君と僕」が今日11月25日の更新で最終回。2026年1月からのアニメ化も発表された。第1話が2022年5月2日なのでほぼ2年半、コロナ3年目から始まっている。作中ではコロナなどなかったかのような高校生活のリアルが、ポップな絵と表現で展開し、大人気作品になった。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567261201092262
最終回は第一回のエピソードの谷視点の展開なのだが、最終回を読んだ後第一回を読みなおすとめちゃくちゃ「エモい」という言葉がよく当てはまる。何気なく読み飛ばしていた部分がより鮮明に煌めいて見える。本当に良い作品だったと思う。
ストーリーは2年生の初めから始まるのだけど、3年生になるまで四季を一巡し、3年生になってからは駆け足で、前回最終回。今回は卒業した谷が離れた大学に進学し、遠距離恋愛が始まる、という場面。離れても「ずっと好きだから。それだけは覚えてて」という一言を描くために、出会って付き合い始めるエピソードが描かれたのは本当にじんわりした。そして「いってらっしゃい」からの3ページで未来の全てを想像させる演出がとても良かった。
「ふつうの軽音部」もそうだけど、こういう何気ない日常のよくある起伏みたいなものを描いて強い印象を持たせる作品というのは、それだけ「日常」というものが「貴重になってきている」からなのかもしれないとふと思った。
白洲正子のエッセイで「戦争中はよく人を訪ねて何気ない会話をした」ということをしみじみ書いているものがあったが、そういうものに近いのかもしれない。「パンデミック」を経験して、日常というものがいつまでも続くわけではない、ということが多くの人たちのこころに刻み込まれた、ということが大きかったのかもしれない。阪神大震災や東日本大震災、能登半島の地震や水害など、自然災害は尽きないし、地下鉄サリン事件などの日常を覆すテロのようなものも経験はしていても、日常全てが重苦しく規制されたコロナのパンデミックほどではなかったのかなという気がする。非日常に比較的慣れている日本ですらそれはやはり戦争並みの特別な体験だったのだろうと思う。
音楽もマンガも時代を反映し、その良さや面白さに磨きがかかっていく。表現規制などを考える人たちは何を考えているのかと思うが、そんな頭でっかちの思考に耽溺する暇があったらマンガを読めばいいのにと思ったりする。
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