予算委員長を立憲民主党に/アメリカ大統領選:トランプ完勝の戦術と顔が見えなかったハリス/白人労働者という文化集団/冷え込み

Posted at 24/11/08

11月8日(金)晴れ

今朝は冷え込んでいる。4時ごろ起きた時の最低気温は1.3度だったが、その後さらに下がって今の所の最低気温は0.9度。一桁になったのもつい最近なのに、あっという間に氷点前後まで下がってきた。最高気温予想は13度なので、寒い1日になりそうだ。

昨日は午前中ブログを書いたあとは家の経理関係の仕事をして、そのあと書庫の屋根の掃除を最後までやったのだが、最初はかなり寒くてもう少し着込んでやった方がよかったかなと思っていたが、梯子をかけてプレハブの屋根に乗り、降り積もった落ち葉や土になりかけの腐葉土みたくなっているものを鋤簾で屋根から落とし、残りを竹箒で払い落とし、書庫にかかっている枝をかなり切り落としたりしていたら、だいぶポカポカしてきたのでなんとかなった。ただ、手や足や、あまり思ってなかったところが作業中に痛くなったりしびれが出るところがあったりして、なんというか歳だなと思う。体が動くうちは動かしていきたいと思うのだが。

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http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2024/09/Vol87_p14-19_Presidential_candidate_Harris.pdf

アメリカ大統領選挙の分析記事が出ているが、これは面白かった。

「アメリカにおいては「白人労働者」は単なる人種属性や利益集団ではなく、 「文化集団」だからだ。銃を愛好し、移民に不信感を抱く、しばしば原理的なキリスト教徒が、たまたま労働者でもあった。」

この辺り、読みかけになっているが副大統領になることになったJDヴァンスの自伝的作品、「ヒルビリー・エレジー」を読んでいる時の感じを思い出す。ヴァンスはアパラチア山地出身の、アイルランド系移民の子孫だが、移住した先祖以来華々しい成功をしたことがないまま、農民からオハイオに出てきて労働者になった、という一族。鉄鋼会社が景気が良かったときは良かったが、それが寂れてくると彼らも苦境に陥る。粗暴な母親の話や、親切だがキリスト教系カルトにハマっている叔父の一家の話など、「アメリカの労働者」の一側面が活写されていた。

民主党は労働者の党からインテリ中心のマイノリティの権利擁護のようなより理念的な政党に変貌してしまい、支持を失っているというのはいろいろなところで言われているが、日本においても左派政党はそういう傾向が強いだろう。

ハリスの選挙陣営が盛り上がらなかった一因は予備選を経ての候補ではないという点にある、という指摘はなるほどなあと思った。草の根からの積み上げなしで最初から空中戦だったわけだ。現職大統領でもないのにこの状況は展開させにくかっただろう。

ただ、もし予備選から参戦していても、彼女の政策論議はあまり強くなく、属性的な背景などにしても複雑でオバマのような物語的な熱狂を呼び起こす力がなかったから、バイデンに勝つことは難しかっただろう。そのハリスを担ぎ出さざるを得なかった理由は、「反トランプ」で「予備選で選ばれたバイデンから禅譲される正当性」を持っているのが現職副大統領のハリスしかいなかったということだろう。

結局ハリスは「トランプを大統領にしない」だけのために担ぎ出された候補で、政策を語ればボロが出るし、彼女の人間性を出そうとしても上手く焦点を結ばない。つまりは「トランプがどんなに酷いか」を語ることで民主党支持層を固めるしかできない候補だったという解説は当を得ていると思う。

これを読むと、これでハリスが勝つはずないよなと納得できる。日本も含めてメディアは結局トランプのネガティブキャンペーンしかできなかったのだよなと思う。ハリスがどんな人なのか、その人間性が結局全然伝わってこなかった。

これは違う記事の感想だが、一方トランプは10代から20代の男性、あまり政治に積極的ではない層が見ているYouTube番組などに積極的に出演し、その政策だけでなく人柄も訴えていき、それが奏功したと言われている。今まで政治的に熱心でないことから見過ごされてきた層へのアピールは、それだからこそ伸び代があると考えた選挙スタッフの勝利だろう。日本における国民民主党の勝利に通じるものがあったように思う。

Qアノンなどと言われる陰謀論者に訴えるというような戦略ではなくストレートに若い世代の票を掘り起こすというのは非常に健全な戦略だし、そういった面でも今回はトランプの完勝、ハリスの完敗だったのだと思う。

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日本の政治では、少数与党となりそうな石破内閣・自民党の提案で、与野党の国対の協議によって衆議院の委員長ポストがいくつか、特に予算委員長のポストが立憲民主党に割り当てられることになったのだという。国会運営の一つの要である予算委員長のポストが立憲に渡されたということはいろいろな意味が出てくるなと思う。

与党側としては、要は国会の重大責務である予算成立の責任を野党第一党の立憲側にも負わせることになったわけだし、急速に評価を伸ばしている国民民主党の、特に「103万円の壁」撤廃の主張にも、慎重な姿勢を見せる立憲側と共闘していける可能性が出てきて、野党分断の狙いもあるのかなと思う。もちろん立憲側に国会運営のイニシアティブを渡すことは危険な賭けではあるのだが、渡す相手としては野党第一党の立憲であることに一番大義名分がある。よく考えた人事だと思う。石破さん自身が考えたならなかなかやるなと思うのだが、おそらくは誰か策士が裏にいるのだろう。「人事の岸田」か、「103万円の壁撤廃」に難色を示す財務省か、あまり知られていない知恵袋か。

また立憲側としても国民民主党に話題が集中した現在の状況を自分達に引き寄せる起死回生の策でもあり、立憲側から提案した可能性もあるなと思った。

もともと石破氏は自民党内左派、立憲代表の野田氏は党内右派というポジションで、主たる政策的には大きな違いはない、という話もある。お互いに自民党内右派のしぶとく生き残った旧安倍派幹部や、なんでも反対でまともに政策論議をする気がない民主党内左派を牽制することもできる。これを考えた人はなかなか策士だなと思う。

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