「ふつうの軽音部」45話と「エンジェルベイビー」/103万円の壁に106万円の壁をぶつける愚策/「同じ日本人だから」という意識が「大谷」も「福祉」も救う
Posted at 24/11/10 PermaLink» Tweet
11月10日(日)晴れ
昨日は午前中に妹たちがきて、母を連れ出して一緒に過ごしてくれたのだが、私も仕事の後合流して一緒に夕食。久しぶりに食べすぎた。今の体調は食べすぎるとすぐいろいろなところに反応が出るのであまり良くないのだが、それでも「たくさん食べる」ということはそれ自体が充実するので楽しく過ごせたなと思う。
夕食後、上の妹の話を聞いていたら1時ぐらいになってしまい、それから入浴して寝たがどうも寝る調子にならなくてあまりぐっすり眠れなかった。
それでも起き出してきたのは6時前で、「ふつうの軽音部」第45話「その舞台を夢見る」を読んで、これはすごいなと思った。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567256672633938
今回出てきた曲は主人公鳩野が歌っていたスピッツ「スピカ」とたまき先輩が歌い彼女のバンド「性的カスタマーズ」が歌う銀杏BOYZ「エンジェルベイビー」なのだが、iTunesでダウンロードして2度目は聴きながら読んだけど、鳥肌が立つとはこのことか、と思った。
今までは鳩野のがむしゃらな「修行」が仲間たちを集め、周りの人たちに影響を残していくのだけど、今回は完全に受け身。新歓ライブの時から触発されていた「憧れの」たまき先輩のステージを聴いて、心の底から「私 このステージに立ちたい」と思う。本当に心の底から「心を奪われた」というのがわかる作画で、そしてその思いを自分のバンドはーとぶれいくのメンバーたち、桃、彩目、厘と視線だけで共有する場面は本当に最高だった。
そしてラストのページは同じく真顔のプロトコル、鷹見・水尾・遠野・田口の四人と、はーとぶれいくの四人が「このステージを目指そう」と静かに決意を燃やすという本当のジャンプ漫画みたいな描写。その前のページに感動して滂沱たる涙を流す2年の鶴先輩が写っていて、またはーとぶれいくの中でも厘だけは真顔、というか策士の顔に戻っているのも今後の不穏な展開に期待を持たせる感じで、神がかった物語展開と作画だった。
次週は休載ということだが、確かに待ち遠しいのだけど、1話から全て読み返すのもよし、期間限定無料公開になっている41話から始まる「たまき先輩編」だけでも読み返すのもよし、という感じである。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567255706134256
実際今回もここに書いてはいない「そうきたか!」と唸らされる伏線回収もいくつもあり、全て書くのもネタバレにすぎるので、ぜひ読んでいただきたいと思う。
と書いた側から一言だけ書きたいが、実は今回のたまきと夏帆の関係に、鳩野が気づかずに一役買っていたというのは、「神か・・・」と思わざるを得なかった。あと16ページと20ページの鳩野の小さい瞳の中に・・・いやこの辺にしておこう。
ちなみにジャンプ+アプリの「ふつうの軽音部」のサムネが更新されていて、これも最高でした。
時間がないのでとりあえず支度をして車で家を出てセブンで「紅茶花伝ロイヤルミルクティー」を買って仕事場に来て、ブログを書いている。
***
政治的なことを一つ書くと、国民民主党が「現役世代の手取りを増やす」ことを狙って「103万円の(扶養を超えて課税される)壁」の撤廃を唱えている中で、政府側が「106万円の壁」(厚生年金加入の壁)の撤廃を、つまり20時間を超えたら厚生年金に加入させる(当然3号被保険者からも抜ける)ことを言い出し、結局「手取り減」になる政策を打ち出してきているの、表現が同じなのに全く逆の経済効果を打ち出して混乱させようとしているのは、ちょっと良くないと思う。「手取りを増やして消費を増やす」ことが国民の狙いで、それを多くの国民が支持したのだから、まずは実際に天引きを減らし、可処分所得を増やす冊を実行するべきだろう。そして十分に消費が増えて効果が出てきたら、次にやるべきことではないか。社会保険財政が苦しいのはわかるが、少しでも手取りが増えたという実感を持ってもらうことが経済の好循環につながるはずであり、その政策意図を潰しにきているのは本当に良くないと思った。
***
大谷選手が活躍した一年だったが、日本には「大谷選手が偉いのであって日本人全体が偉いわけではない」という人たちがかなりいる。これは日本人のナショナリズムの高まりを牽制しようとしているのだろうが、それが良くない影響を与えているという話。
https://x.com/Dirg_rocketdyne/status/1854554818754576607
ノーベル賞を受賞した人たちを見て「同じ日本人として誇らしい」からこそ、新しい研究者たちにも税金からお金を出す政策に賛成する気になるわけで、それを否定することは科学の振興の妨げになる、という主張は、なるほどその通りだなと思った。
そしてこの「同じ日本人だから」という感覚で許容できているのは学術やスポーツなど目立つ人たちに対する支援だけでなく、貧しい人困っている人たちに対する支援、つまり福祉に対しても同じなのだ、という指摘は目から鱗だった。
https://x.com/iida_yasuyuki/status/1855054256702996673
https://x.com/iida_yasuyuki/status/1855055928225415362
福祉、つまり再配分政策は、「自分が払った税金を他の人のために使う」政策なわけだから、それを嫌がる人たちがいるのは当然なわけで、それを説得する材料としては、「困った時はお互い様、同じ日本人なんだから」ということしか説得力が持たれないというのは本当にその通りだと思った。
社会を超えた日本人同士の助け合いの気持ちがなければ福祉=再配分政策など成り立たない。つまり、ナショナリズムこそが福祉を成り立たせる要になっているわけである。
これはスウェーデンがどうして高福祉国家になったのかという話と実は同じことで、スウェーデンは伝統的に軍国主義の国だったのである。だから国民に対して大きな負担をずっと求めてきた。だから国民もまた、手厚い福祉を受けることはその引き換えとして当然だと思っているし社会的に受け入れられてきたわけである。
https://x.com/hazuma/status/1855146889005687153
https://x.com/hazuma/status/1855148014610137129
左翼が行き詰まっているのは福祉の基盤はナショナリズムにあるのにそれを否定して藩福祉の勢力を新調させて、また小規模経営者や労働者が持っている自然なナショナリズム自体を否定してキリスト教に由来する人類全体に対する人道主義で全て納得させられると信じてしまったことにあるのだろうと思う。それは日本でも全体的に左派政党の退潮をもたらし、アメリカではトランプの完勝という事態をもたらした。
そして日本ではまさに「国民」民主党に4倍増の議席を与える原動力になったわけだろうと思う。
その辺りのところは左翼政党だけでなく政策決定者もまた、理解していかなければならないところではないかと思った。
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