雨上がりの朝に渋柿を齧る/「ふつうの軽音部」44話「輝く日々を叫ぶ」と文化祭ライブと自分のバンド体験の記憶/「昭和天皇拝謁記」
Posted at 24/11/03 PermaLink» Tweet
11月3日(日・祝)雨上がり
昨日までの雨が嘘のように晴れているが、雲ひとつない、というほどでもない。昨夜は疲れが出てしまってブラタモリを見た後少し横になったらそのままうたた寝をしてしまい、起きたら1時を過ぎていた。4時間くらいはそこで寝てしまったので歯を磨いてパジャマを着てちゃんと寝ようとしたがなかなか寝付けず、起き出して「ふつうの軽音部」の更新を読んだ。これがとても良くて感動していろいろ読んだりしていたのだが、眠れそうな気がしたので2時過ぎにもう一度寝床に入ったが眠れず、寒いなと思って入浴してからまた布団に潜ったが、またちゃんと入眠できずにもう一度起きた。もう新聞が来ていたので5時にはなっていたのだが、なんとかもう少し寝てみようともう一度布団に潜り、しばらくして外が明るくなってきたので仕方なく起きることにした。やはりうたた寝を10時前に始めると睡眠のペースが崩れる。12時を過ぎるのも良くないので、もうちょっと立て直さないといけないなと思う。
起きてから少し裏山を見に行き、夏の間入っていなかった部分などがそれなりに荒れているのが分かったのでこれは少し整備しないといけないなと思った。柿の木が何本かあるのだけど取りやすいところの柿はついていなくて、やるなら梯子をかけて本気でやる必要がある感じ。長バサミなら取れそうなところに一つあったのでそれは取って、あと落ちていたものでも食べられそうなものは拾ってよく洗って皮を剥いてみた。一つはもうかなり熟していたので試しに食べてみたら、甘いところは甘かったが後味が渋く、結構後まで口の中に残ってしまった。別の柿の木のところに行く道が完全に草や竹が生えて通れなくなっているので、しばらく時間のある時はその辺りを整備しようかと思う。草の勢いはようやく落ちてきたから草刈りはそんなに考えなくていい感じだが、いろいろと手を入れた方がいい部分はたくさんある。
土曜日に庭師の方にお代を支払いに行き、庭の状況についていろいろ話をして、ここをこうしたらいいと思うというような話をいろいろ聞いたのでそれを考えたりしながら庭を見回ったりしているのだが、庭から裏山につながる(裏山が庭の借景になっている)ところが綺麗になっていると手を入れようという気持ちになるので、やはり専門家にいろいろやってもらうことは意味があるなあと思う。
この辺りはいろいろやっても一円にもなることではなくてむしろお金が出ていくばかりだから大変ではあるのだが、まあそういうのも先祖が残してくれた贅沢として享受できればいいかなとは思っている。
***
「ふつうの軽音部」第44話「輝く日々を叫ぶ」良かった。文化祭の後夜祭が始まってから、一旦主人公鳩野ちひろたちのバンド・はーとぶれいくの話から離れて、ちひろの憧れの先輩・新田たまきの過去話に入っていく。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567256451614710
そのあらすじを書いていくと全部ネタバレてしてしまうので、今は過去話が始まる41話から無料公開になっているのでこのストーリーは読んでもらえるとありがたい。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567255706134256
とはいえ、ここからは今話の内容はネタバレ込みで書きたい。
44話では心を決めて軽音部のバンドに取り組むことにしたたまきの3年間の軌跡が描かれていて、春の主人公鳩野が聞いた新歓ライブやその後の鳩野たちのバンドのサポートをやったりしたことも素描され、そして場面は後夜祭に戻ってくる。この展開、急にくる後夜祭の盛り上がりに思わずグッと来てしまう。
2年生の時に後輩の鶴から相談を受け、自分の経験を話すが、鶴は「自分と違ってたまきさんは何も悪くないんじゃ・・・」というのに対し、たまきは「いつか鶴ちゃんにも軽音部に入って良かったって心から思える日が来るかもしれないよ」と言っていて、鶴の顔が明るくなるのがとても良かった。
鶴は今まで鷹見との会話しか出てこなくて、どちらかというとプロデューサータイプというかいろいろ画策するタイプに見えたのだが、たまきとの会話がとても素直で、「悪いやつじゃないんだな」という感じがした。
この作者さんは本当にいろいろ作中に仕掛けがあり、はーとぶれいくのメンバーでも、ドラムの桃が小学生の時の級友のあやめと高校で再会してギターとして加わるのだけど、「桃の節句」と「菖蒲の節句」のツイになってるということをインタビューで答えていて、そうだったのか、と思ったのだった。
だから、「鶴の恩返し」もあるのかもしれない。
ラストの曲の前にたまきがMCで、「軽音部って正直気持ち悪くないですか?」と言い出すのがたまきらしくて良かった。「内輪ノリの青春ごっこ」「好きなバンドでマウント取り」「音楽そっちのけで付き合ったとか別れたとか」とめちゃくちゃ批判して、それを横で喜田が「おいおい」みたいな顔をして聞いてるのがおかしい。「それでも私はダサくて痛くて寒い軽音部が」「辛いこともあったけどそれ以上に楽しいこともたくさんあった軽音部が」の場面でもうみんな泣いているのだが、「私は!この軽音部が!大好きでした!」と大きな目を見開いて涙を流しているところはもうこちらもうるっと来ずにはいられなかった。
「聴いてください!最後の曲です!」というセリフの後に鳩野がアップになっているコマは、いやが上にも次週への期待を高めるものだった。
たまきのバンド、「性的カスタマーズ」の最後の曲は「リンダリンダ」なんじゃないか、と私は予想した。「愛じゃなくても 恋じゃなくても 君を放しはしない 決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ」という歌詞は、喜田のイケメンぶりが遺憾無く語られているので。まあ、感想欄など見るとみんなてんでに次の曲を予想していて、こういうところもこの作品が楽しいところだよなとは思った。
また、この作品のアヴァンギャルドなところは次回のサブタイトルがしれっとラストのページに書かれているところなのだが、(これからオーディションという場面で次回のサブタイが「オーディションに落ちる」だったりする)まあ要は常に軽いネタバレをかますという構造になっているのだけど、今回は次回のサブタイが出ていなかった。こういう時は時々あるのだが、これもまた「足す」ことでなくいつもあるものを出さない、つまり「引く」ことで読者の期待を高めるという高等テクニックだと思った。そして原作者のクワハリさんは次回の作画がめちゃくちゃいい、とTwitterで語り、作画の出内さんは「私が一番好きな回」だと語るのだから、いやが上にも期待は高まるわけである。
この作品の中では、鳩野が歌う曲をきいて聴いている人が自分の過去を思い出す話があるのだが、私も今回は自分の高校の文化祭のことを思い出していた。
2年の時の文化祭で軽音楽部のライブに行ったことを、自分の中ではずっと忘れていたのだが、その時にやはり3年生が桑名正博の「セクシャル・バイオレット・ナンバーワン」を演奏していて、それが(高校生にしては)とてもうまく、みんなノリノリで一緒に歌ったり体を動かしたりして、その熱気が普段白けた感じの校風とはかなり違ったので、とても新鮮に感じたのを思い出した。私は帰宅部だったが軽音には友人がいたので多分それを聞きに行ったのだが、彼らの演奏は全然覚えていない。私もやりたかったなと少し思ったのが、大学で一度だけステージに立った原因になったのだな、と今思い出した。そのステージではビートルズの「All my Loving」を歌ったな、そういえば。
3年になる時に転校したので3年の時の文化祭は全然ノリが違った。校風自体も結構違って割とみんな真面目で熱いところがある学校だった。後夜祭ではファイヤーストームがあり、ストームの周りで走り回った知りた後で、3年生が壇上に上がり、学校や友達、みんなに対する感謝の気持ちを叫んだりしていた。私はそこまで熱くなかったから、というか4月に転校しての7月だからまだ慣れてない感じはあり、見ている側だったけど、たまきのMCはほんとそういう高校生活の一つの集大成みたいな、あの頃の熱さを思い出させてくれた。
というようなところで、おそらくはつい読者に自分語りをさせてしまうような、そんなところがこの作品にはある。「軽音部や高校生活の解像度が高い」というのがこの作品の現状での高い評価につながっているわけだけど、そういう部分から人は自分の青春時代を、そして今まさに青春の最中にいる人たちはその「痛さや寒さ」も含めての「今」であることを、思い起こさせてくれるのだろうなと思った。
4巻も出たばかりだし、こちらも鳩野のバンドが初めて「手応えのある演奏」を披露した素晴らしい展開が収められている。強く推したい。
***
昨日はTwitterで原武史「象徴天皇の実像 「昭和天皇拝謁記」を読む」(岩波新書)が話題に上がっていたので興味を持ったのだが、原さんの見解を聞く前にまず原著の「昭和天皇拝謁記」を読んだほうがいい気がしてきたので、今日はそれを借りてこようと思っている。
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