国民民主党の躍進とサラリーマン新党「給料日の怒りを国会へ!」/「十分な社会保障」と「妥当な政治・行政機構の規模」をめぐる国民的コンセンサスの必要性

Posted at 24/10/31

10月31日(木)曇り

あまり寒いという意識はなかったが、今朝は今季一番最低気温が低くなった。6.5度。8度を下回ると紅葉が進むというが、遅まきながら当地も紅葉のシーズンに入りつつあるということかもしれない。

昨日はブログを書いたりした後、でかけて銀行関係の手続きなどし、昼食の買い物をしてツタヤで「Blue Giant Momentum」3巻を買った。帰ってきて食事をした後少し横になったら爆睡してしまった。仕事も結構忙しくて帰りもやや遅くなった。月末は色々なことが重なることが多い。

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今回の総選挙の総括、いろいろなものが出ているが、一つなるほどと思ったのがこのツイートだった。

https://x.com/shirai_satoshi/status/1851184725517615202

このかたは考え方が私とは違うのでそれは違うんじゃないかなと思うところはいろいろあるのだけど、全体的にみてなるほどと思うところはあった。

細かいところから言えば、れいわの評価が高すぎると思った。また共産がジェンダーで票を失ったというのはありそうな話だけど、自然減も大きいのではと思う。この辺りの政党には私は共感はないので、筆者がどういう期待をしているのかということにはふうんという感じではある。

立憲民主党は大幅議席増なのに辻元清美議員が渋い顔していたが、小選挙区制のマジックで実力以上に勝ちすぎた感はある。勝ってしまうと問題点の洗い出しはしにくいから反省もできなくなり、逆に次の選挙が厳しくなる可能性が高い、ということはあるだろうなと思った。

最も妥当だと思ったのは国民民主党に対する評価。「この大躍進について「理由が分からない」と言っている方々は、現役世代の置かれた状況についていかに無知であるか自覚するべき。「手取りを増やす」のスローガンは五公五民に呻吟する現役世代にブッ刺さった。」というのはその通りだと思う。手取り、つまり「可処分所得」の少なさが現役世代の大きな不満だというのは全くその通りで、この辺りは昔の話になるが55体制から野党の社公民・共のやや固定された体制の中で「サラリーマン新党」が新党ブームのきっかけを作ったスローガン、「給料日の怒りを国会へ!」という言葉を思い出させた。

「103万円の壁」問題も結局は「それを超えると返って「現在の負担」が増える」ことが問題なわけで、将来の年金所得よりもまずは現在の可処分所得が必要な年代というものに対する手当をどう考えていくかという課題を国民民主党がキャスチングボートを握ることで提示できるようになったことは大きいだろう。それらの政策を実現できていくかどうかが今後の党勢の鍵を握るということもある。

自民党が票を減らしたのは保守層が離れたというのが大きいというのが私の感じなのだけど、浮動票が剝がされたのはやはり物価高からの幻想の増税感と政治資金問題への対処が毅然としていなかった、つまり野党やマスコミの攻勢に動揺しすぎたことが大きいと思う。二重処罰などのやり方は必要以上に批判を拡大させた。石破首相が票を減らした部分は3割以上はあるのではないかと思う。

また今朝見た調査で、こういうものがあった。

https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4439

国民の意識としては「社会保障で恩恵を受けている」という印象が37%と低いのは仕方ないとは思ったが、60代でも43%しかそう思っていないというのはやや問題があるだろうとは思った。

また財政赤字の原因として「政治の無駄遣い」と「公務員の高い給料」という回答が多く、「社会保障費」という回答は少ない。また消費税に関しては「逆進的」「景気に悪影響」という批判が強く税率上げに関しては圧倒的に反対が多い。一方で「世代間で公平」「安定財源」という肯定的な意見もそれなりにある。

結局社会保障に関しては受益者層でも不満を持っているのに対し、現役層は不公平感が強いというのが現実だということなのだろう。

「政治の無駄遣い」や「公務員の高い給料」というのはほぼ幻想だと思うのだが、維新などここを強調する政党が一定の勢力をまだ持っているのはこういう幻想が共有されているから、ということはあるのだろう。また社会福祉に関しては払う側は不満が強いのに対してもらう側になってもやはり「十分ではない」と感じるのだろうなとは思うので、なかなか難しいなと思う。この辺り、公明党のようにばらまき政策を取ることへの現役世代の不満や、受益者層も「そんなに喜んでいない」ということが今回の選挙にも反映されたのだろうなとは思う。

実際のところ、「社会保障が十分な状態とはどういう状態なのか」とか「政治や行政機構などにかける費用はどのくらいが妥当なのか」みたいなこと、まあ結局は大きな政府論と小さな政府論などに関わるわけだが、それらについての国民的なコンセンサスが育っていないというところに大きな問題があるのだろうと思う。こういうことは党利党略を超えて話し合われていくと良いと思うし、国民民主党の問題提起がその起爆剤になる可能性もあるとは思うので、その辺のところには少し期待したいとは思っている。


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