乾燥/「だんドーン」:「敵は寺田屋になし」納得のいく物語的説明/狂言廻しは敵にいる/切なさの大放出

Posted at 24/10/25

10月25日(金)曇り

10月ももう25日。5×2と5の2乗のように両方5と2で表せる数というのもなんとなく面白い。すでに寒い日もあるがまだまだ動くと暑いなと思う日もあって、夏が完全には過ぎ去らない感じがあるのだけど、だんだん空気も乾燥してきていて、秋は深まっているのだなという気はする。

昨日は松本の整体に行って、そういう晩秋から初冬にかけての注意を聞いたのだけど、いつまでも暑い気分は抜けない一方、すでにストーブをつけている日もあるということは空気が乾燥してきているということでもあり、そういうところにも注意しないといけないなと思った。

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昨日書いた「だんドーン」の挿入コラムだが、1巻が主に川路利良について、2巻は宝暦治水のこと、小松帯刀のこと、下ネタについての考え方が書かれていて、3巻は大久保利通、幕末の水戸藩、井伊直弼と村山たかについて、4巻は有村次左衛門、有村俊斎(海江田信義)、太郎少年のモデル、桜田門外ノ変について、そして5巻は中村半次郎、伊牟田尚平、長州番外編について書かれていて、薩摩藩から見た幕末史みたいな感じのラインアップが面白いなと思う。

このマンガはフィクションだからそれぞれのキャラクターは実在の人物の関係する記録から立ち現れてくる姿と変更されている点が多いのだけど、最も大きく変化させられているのは村山たかだろう。井伊直弼の彦根藩の忍び・多賀組の首領を実力でもぎ取ったという設定になっていて、島津斉彬の急死や桜田門外ノ変での彦根藩の手ぬかりの語り、そして今連載されているところでは寺田屋事件の影で暗躍しているという設定になっている。ダークな側、というか主人公・川路利良にとって敵である側にいる狂言廻しの役割を担っていると言えばいいだろうか。

私が読んできた作品では狂言廻しは主人公側や中立な立場ににいることが多かったように思うが、敵側に狂言廻しがいるというのも結構面白いなと思う。もちろん史実から大幅には外れられないが、史実そのものが割と突飛な展開をしているときに、その背後にこういう人が暗躍していた、みたいなことは読んでいて納得感はあるなあと思う。

今回「52話 敵は寺田屋になし」の展開では薩摩藩内が有馬新七の元に集まっている尊攘激派と、公武合体を奉ずる国父・島津久光の元で藩命を奉ずる大久保・小松らの藩首脳との分裂する中で、奈良原繁らが寺田屋に乗り込み上意討ちをする過程が説得力を持って語られていたと思う。有馬が鎮撫使の奈良原らは皆家督を継ぐ可能性のない次男以下であることを指摘し、鉄砲玉にされているのだと藩主脳の酷薄ぶりを指摘したのに対し、奈良原らは関ヶ原の死地に送り込まれ決死の思いで脱出した藩士たちと同じ名誉を与えられたのだと逆に自覚させられて鼓舞される、という展開がとても良いなと思った。少数の鎮撫使らに対して激派やそれに賛同して集まった他藩や浪士の激派が多数いる中で鎮撫使側の死者が一人しか出なかったという史実が説得力を持って物語化されたのではないかと思う。

副題からして「敵は寺田屋になし」であるから、お互い敵だと思っておらず、それぞれの立場を理解した上で殺し合いをするというのがすごい、というかまあ戦争というもののかなりの部分はそういうものだよなあという気もしたりする。

敵側に狂言廻しがいるというのは、作者さんがもともと警察官だということもあるかもしれないとちょっと思った。つまり、事件を起こして展開させるのは常に犯罪者の側だから、捜査は常に後追いになるわけである。犯人が何を考えてどう行動しているのかを推理しながらその姿を追っていくわけで、敵にその狂言を回す人物がいる方が自然な感じなのかもしれないなと思ったりした。

今朝はなんだか早く目が覚めてしまい、暗い内に出かけてセブンで週刊漫画Timesを、ファミマで月刊アフタヌーンと隔週刊のスペリオールを買って帰ってきた。アフタヌーンは休載作品が多かったが、「スキップとローファー」と「冥冥冥色聖域」は掲載されていて、スキローはみつみと志摩の微妙なデート、冥色はメイド卒業という展開で、なんとなく切ない感じだった。まあ昨日読んだ「推しの子」も割とそういう雰囲気だったから、そういう秋にふさわしい切なさみたいなものが放出される時期なのかもしれないなと思ったり。

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